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米沢

山形大学 工学部 機械システム工学科 4年
田崎駿平

 私が米沢に引っ越してきたのは、大学2年の春だった。新しい土地への期待と不安な気持ちを抱えたまま、米沢での生活が始まった。
 米沢の春はとても短く、桜が色づき始めるのも4月の下旬から5月の初頭にかけてだ。やっとの思いで花を咲かせたと思えば、気温が上がり、桜の花も葉桜になり始める。春だけではない。夏が終わると秋が来る。そんな当たり前のことでもこの地では紅葉が色づき始める頃には、こたつやらヒーターやらと暖房器具が手放せなくなる。そんなこれまでの感覚とは全く違うこの土地に、私は中々慣れずにいた。そして米沢は厳しい冬を迎える。これまでに感じたことのない、降雪量、気温、景色。道路脇の雪の壁は驚きを超えて、最早圧巻だった。そんな楽に暮らせるような環境とはお世辞でも言い難い中でも、この土地の人たちは逞しく、寒さを忘れるほど暖かく生きている。私はそれを目で見て、肌で感じ、米沢という地が好きになった。
 今年は、研究室に配属され、自分の研究テーマに取り組んでいる。学部3年までの講義と違い、自ら考えて進める研究は難しく、大変なことも多いが,様々な刺激があっておもしろい。
 今後は大学院に進学することが決まっているので、様々な経験をして大学生活を有意義なものにしていきたい。




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