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ポスターセッションを経験して

福島大学大学院 共生システム理工学研究科 博士前記課程 2年
浅野 雄太

 私は、2016 年の成形加工シンポジアにて、初めて学会でのポスター発表に参加した。申し込みの段階では、ポスター発表についてそれほど難しく考えておらず、それまで口頭発表での参加は何度もしてきていたことも有り、いつもの通り準備して望もうと考えていた。しかし、8 月のイノベーションジャパンのポスターセッションへの参加によってその考え方は一変した。

 すべて時間で区切られていた口頭発表と違い、発表は何度も行わなければならず、かつ質問時間もほぼ無制限である。口頭では時間の関係で鋭い追及を免れることもあったが、ポスターでは専門家たちが容赦なく鋭い質問を飛ばしてくるため、壇上に立つのとは別のベクトルで緊張を強いられた。

 さらに、ポスター発表の最も難しかった点は「その分野をほとんど知らない人間」にも発表をし、質問に応じる必要があるという点である。自分が集中して勉強している分野の知識というのは、知らず知らずのうちに「当たり前」という認識となってしまう。それは、人に話す際にも「前提の説明不足」という形で現れてしまい、自分はそれを完全に払拭するのに2 日間の日程のうち半日を要した。

 こうしたイノベーションジャパンでの苦い経験から、学会でのポスター発表では上記に挙げたような点を修正すべく、家族や後輩など分野に明るくない人間の想定質問や、前提知識の詳細な復習などを行った。結果として、まだまだ完璧には程遠いものの、イノベーションジャパンの経験がなければ有り得なかった完成度に出来たと考えている。今回の経験で得た知見を修士論文、就職後の物事にも生かしていきたい。




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