寮生活を通して学んだこと
鶴岡工業高等専門学校 機械工学科 5年
高橋 輝昭
卒業も近くなり、5年間を振り返った時、私の中で一番大きかった思い出は寮生活でした。その寮生活について少し書かせていただきたいと思います。
思えば、入学と同時に寮に入り、親元を離れ知らない人たちしかいない中で生活することは、当時の私には不安しかない出来事でした。私の中学校から鶴岡高専に入学したのは私だけで、文字通りゼロからの友人関係の始まりでした。不安の中、初めての友達が出来たのは寮の同部屋になった人で、部活の話や趣味の話、そんな些細な会話からどんどん友達が出来ていき、今ではよき友人がたくさんできました。そんな寮生活で私が大きく変わる出来事がありました。それは寮生会という役員に選ばれたことです。元々人前に出ることが苦手だった私ですが、これから社会に出ていくにつれ重要になってくるコミュニケーション能力は当時の私に一番足りないものだと自覚していたため、自分自身を変えるためにも役員をやってみようと思い引き受けました。
いざ役員になってみると、人と関わる仕事ではなく主に雑用で、先輩からの指示をうけ仕事をするといったあまりコミュニケーション能力の向上には役に立たない仕事だなぁと思いながら仕事をしていました。しかし、私たちが4年生になり、私たち主体で実際に寮の催し物などを企画・運営するといった時、運営関係者への正確な情報伝達、また後輩への的確な指示など一人一人が一つの歯車として、それを円滑に動かす役をしながら自然にコミュニケーションをとれている自分がいました。その時、初めて自分が雑用と思っていた仕事の大切さに気づきました。下積みをすることで、自分が上の立場になった時しっかりと指示を出せるか、また運営などは特に一人ではできないもので、協力していただく人たちの立場になって物事を考えてあげられるかなど、多くのことに気を配りながら仕事をこなす大変さを、寮生会を務めることで学びました。
入学当時の私からは想像も出来ないほど今の自分は変わっていると思います。全てがプラスになったとは言えませんが、寮生として過ごしてきたこの5年間はかけがえのない時間だったと思います。
この寮生活から学んだことを、これからの生活に活かしていきたいです。
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