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「伝えること」
岩手大学院 工学研究科 機械システム工学専攻 博士前期過程1年 鈴木邑弥

私が大学に入り,工学を学ぶようになって少しではありますが専門的な知識や技術を身につけるようになりました.学部三年に進むみ,研究室に配属され,それまで学んだ技術や識を使って,もしくは必要とされる知識を新たに学びながら研究活動に勤しむようになりました.
その中で,必ず求められることとして,自分が行った研究成果をいかに相手に伝えるかということがありました.伝聞でこういう力が必要だ,大切だとは聞いたりしていましたが,いざそれを求められる状況にならなければいまひとつ実感がわかず,相手に伝える力を磨くことを後回しにする節がありました.しかし,物事を一から十まで全て自分だけでできるわけでもなく,ましてや知識不足や経験不足から,多くの人に支えられている状態なのですから,自分がどこまでやったのかを相手に伝えなければなりません.たとえ十の成果を出したとしても,それを半分しか伝えられなければ,半分しかやっていないのと同じことになってしまいます.そう考えると,多少力を割いてでも,伝えることに力を注いで,七,八割分の成果を100%伝えられた方がよいということになるかと思います.
その事を,今更ながら実感するのは少し遅いような気もしますが,これから先技術を扱う者として世に出ることになったならば,自分の出した成果を100%相手に伝えることは,専門的な知識や技術と同等に必要なことであると考えるようにしています.

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