「ヒマラヤプロジェクトの活動を通して」
秋田県立大学
システム科学技術研究科 機械知能システム学専攻 修士1年 秋保 良太
ヒマラヤプロジェクトは秋田県立大学の研究団体であり、水力、風力、太陽光といった新エネルギー
を研究しています。研究の成果として、現在はソーラー発電による照明をネパールの無電化地域に設置する活動
を行っています。私はこのプロジェクトに学部1年時から参加しており、主に太陽電池の固定架台の設計と施工
を担当していました。私たちがネパールを活動地としたのは、ネパールが後発開発途上国の一つであり、山村地域
における電気の普及が遅れていたためです。現在でも電気の普及こそしていますが、山村全域を補えるほどでは
なく、停電が頻繁に発生しています。
私はこの活動を通して、開発途上国への技術支援の問題を知ることができました。その問題とは自立した発展に
至らないということです。なぜ、自立した発展に至らないのか。それは、現在の現地民の考え方と、支援の仕方に
原因があります。現地の方々は諸外国からの支援金や支援物資に甘えている傾向があるらしく、修理や改良をする
ことが少ないそうです。日本が支援で建てられた信号機も点灯しなかったり、医療品や薬があっても取り扱う医者
が素人同然であったり、水力発電施設も故障したきりで稼働していなかったりしています。
これでは根本的な解決には至りません。正しい知識を伝える技術支援,教育支援を行い、持続的発展へ繋げること
が必要なのではないかと考えました。支援を行う私たちは、〈国〉を支援するのではなく、〈人〉を支援するのだと
いうように意識を改める必要があるだろうと感じました。
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