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自動車の未来

鶴岡工業高等専門学校

機械工学科5年 秋山 大樹

  今、環境問題が盛んに叫ばれており、自動車の排出する二酸化炭素も地球温暖化の原因であると言われている。 そこで、最近は燃費の良い「エコカー」が人気であり、ニュースや雑誌でもよく取り上げられている。 「エコカー」と言えば、燃料電池車や電気自動車、ハイブリッドカーが有名である。しかし、 燃料電池車や 電気自動車は非常にクリーンである代わりに、充電スタンドなどのインフラ整備が不十分で一般の家庭に普及する までは時間がかかる。また、ハイブリッドカーはガソリンエンジンとモーターの併用であるため、二酸化炭素等の 排出は少なからず発生してしまう。

 そこで、私が注目するのがクリーンディーゼルである。ディーゼルと聞くと黒い煙を吐き出しながら走るバ スやトラックを思い浮かべることも多いと思う。確かにこれまでのディーゼルは窒素酸化物や粒子状物質の排出が多く、問題 であった。しかし、現在は窒素酸化物を触媒で還元して除去したり、粒子状物質はセラミック製の排ガス浄化装 置を用いることで、大幅に排出を減らすことが可能である。実際、欧州ではこの装置を搭載したクリーンディーゼル車 が人気で、特にフランスでは新車の半分はディーゼル車であるという。

 このクリーンディーゼルの最大の魅力は燃費が良いことである。ガソリンエンジンよりも圧縮比を高く設定でき 、一回の爆発で多くのエネルギーを取り出すことができるためである。また、燃料が軽油でよいため、燃料代が安く 経済的である。さらに、モーターと組み合わせればディーゼルエンジンとモーターのハイブリッドカーも可能である ので、さらに燃費の向上が期待できる。

 長い目で見ると、電気自動車などの排出ゼロの自動車にしなければいけない。しかし、私は今すぐにできるものと して、日本自動車メーカーがクリーンディーゼルをもっと推進していくべきだと思う。



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