研究室生活
東北学院大学
工学部 機械知能工学科 4年 西野 譲
私が在籍する矢口研究室では,主にアクチュエータについての基礎的研究を行っています.平成22年度に行った卒業研究の課題は以下の通りです.
1・ケーブルレス型磁気マイクロアクチュエータの開発
内径10mm以下の管内を上下左右に自由に移動可能なマイクロアクチュエータを,電磁力あるいは圧電素子を用いて試作します.
2・原子炉管内を走行可能な球状型アクチュエータの試作
原子炉および各種プラント管は,曲がりくねりかつ管径も同じとは限りません.管内の状況に応じて瞬時に動作原理が切り替えられ,複雑な形状の管内を走行可能なCCDカメラを搭載した球状型アクチュエータの試作を行います.
3・壁面および天井面を走行可能な搬送システムの試作
磁性体上を自由自在に走行するケーブルレス型磁気搬送システムの試作を行います.具体的には壁面あるいは天井面上を走行できる高出力な磁気型アクチュエータを開発します.
4・電磁力を用いた超薄型モータの試作
電磁力により発生する共振エネルギーを用い,これを回転エネルギーに変換するモータを試作します.具体的には高いトルクを発生し,直系は1円玉サイズ,暑さは1mm以下のモータを面外型,面内型の2つのアプローチから試作します.磁場解析およびモータの動作解析も行う予定です.
5・各種電磁アクチュエータの磁場解析
各種の振動と磁場モデルとが練成された電磁アクチュエータについて,MATLAB言語あるいは汎用の有限要素解析ソフトを用いて動的応答および磁場分布などを解析します.
5・圧力差を用いた自動発電機についての基礎的研究
人間が運動する際に放出しているエネルギーなどを始めとして,この世には発電用のエネルギーがころがっています.これらのエネルギーを回収し,高効率な発電を行う手法について検討を行います.
6・磁気式歯車装置を利用した非接触伝達装置の開発
本学工学部において開発された各種磁気歯車装置は環境に優しいクリーンな動力伝達装置として,各業界より注目を集めております.本磁気歯車の原理を用いてコンパクトな非接触伝達装置の開発を試みます.
私が行っている研究内容は,「5・圧力差を用いた自動発電機についての基礎的研究」です.この研究は機構の工夫などによって,圧力やその変位から電力を生み出そうというものです.機構についてのアイディアを出し,アクリル板などの素材を使い実際に作成,それを解析し改良するという過程で研究を行っています.研究室の雰囲気は穏やかで,他の研究室の学生もよく出入りしているため開放的です.教授も気さくに話しかけてくれるため,言いたいことが言え,聞きたいことが聞けるので,個人的にはかなり気楽に過ごしています.
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