カーボディ周りの気流のFEM解析および風洞実験
いわき明星大学
科学技術学部 システムデザイン工学科4年 林 竜生
自動車の走行時に車体にかかる空気抵抗,横力,揚力,揺れモーメントは燃費や安全性に深くかかわってくる.その影響要素の比率は,自動車ボディの形状抵抗が60%となっている.本研究では,自動車の燃費および走行安全性を向上させるために,FEM解析ソフトおよびNC加工で作製したカーボディ模型と小型可視化風洞実験装置を用いて,カーボディ周りの気流のシミュレーションおよび考察を行い,カーボディ形状の設計を評価する.
まず,図1のように,マシニングセンタで製作したカーボディ模型のデジタル画像をCADソフト(HyperCAD)に読み込ませ,Bスプラインで境界線を描き,そのIGESデータをFEM解析ソフト(ANSYS)に転送して,図2のようにカーボディ周りの領域とそのメッシュを作成した.境界条件として,カーボディ前方のAB位置に流速40m/s,カーボディおよび台座の表面AEFGHDに流速0m/s,カーボディ後方のCD位置に相対気圧0Paに設定した.また,空気の物性値を入力した.計算したカーボディ周りの気流ベクトルおよび圧力分布を図3および図4に示す.さらに,FEMモデルを確かめるために,図5に示す小型可視化風洞実験装置でカーボディ模型周りの流れをハイスピードカメラで観察し,FEMの計算結果と比較した.今後の課題として,カラフルなスモークを風洞装置に流して,カーボディ周りの気流をより良く可視化する.
図1 カーボディ模型の境界線 |
図2 FEMモデル |
図3 流速ベクトル |
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図4 圧力分布 |
図5 小型可視化風洞実験装置 |
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