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電気自動車の衝突安全性に関する研究

いわき明星大学

科学技術学部 システムデザイン工学科4年 澤村 豊,佐藤 弘弥

  最近エコカーの一つとして電気自動車が開発され相次いで販売されている.電気自動車の安全性について,日本では高電圧の感電に関する法規制はあるが,車体の具体的な安全対策は示されていない.桜井研究室では,従来のガソリンエンジンから電動モーターに変更した電気自動車(太陽光発電付き)の開発を行い,車検を取得した.さらにモーターを搭載したときの安全性,すなわち,車体のCrashworthinessとCompatibilityについて研究している.リバースエンジニアリング手法でCAD図面を起こし,これらのテーマについて検討している.前方衝突では,モーターはエンジン本体に比べ小さい.従って,エンジンルームのメインフレームのクラッシャブルレングスは大きくなり,衝突安全性は向上する.一方,蓄電池の配置は床下などになるため重心はモーターのレイアウトと相俟って,下方に移動する.このことは前面衝突では構造変更による一般車両との衝突では不利になるなどの結果を得ている.このことはCompatibilityの観点から重要な知見となる.また,自動車フレームの基礎的研究として円管の座屈に関する研究を継続している.半径/板厚比で整理できること,各変形モード間に遷移領域が存在することなどが分ってきた.

     図1 車検を取得した太陽光      図2 リバースエンジニアリングによるCAD化
発電付き電気自動車                             

図3 円管の最大荷重と半径/板厚比


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