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一年を振り返って

鶴岡工業高等専門学校

機械電気システム工学専攻 1年  清野 洋平

  “光陰矢のごとし”と言うと少々言い過ぎかと思いますが、私にとってこの一年は本当にあっという間で、非常に充実したものでした。
  私は本校を卒業し、昨年の3月まで会社に勤めていました。しかし仕事をしていく中で、学歴から生じる待遇の差を目の当たりにし、また自分自身もっとスキルアップしたいという思いから、本校の専攻科に入学しました。社会人の立場から再び学生の立場に戻ったわけですが、学校での恵まれた学習環境を本当にありがたいと思います。これは以前の在学中には分からなかったことです。高専は同じ学校に5年間もいるわけですから環境に対する慣れもあると思います。しかし一度社会に出てから戻ってみると、充実した環境で学習や研究に専念できるということを非常に嬉しく思いました。研究は、以前私が担当していたテーマをより深い内容で継続させてもらえることになり、企業との共同研究も含めてのびのびとやらせていただいております。
  さて、入学して他の学生と交流する機会も多いわけですが、学ぶ姿勢に対して多少の温度差を感じる時があります。なんとなく昔の自分を見ているようでもあるのですが、やはり社会に出る前は“学ぶ”ということに対しての意識が薄いのではないかと思います。もちろん一生懸命な学生も沢山いるので一概にそうとも言えないのですが、なかば受け身的な姿勢で勉強に臨んでいる学生も見受けられます。私自身、社会に出て初めて勉強の大切さが分かりました。学生のころは、働きながらでも何かしら勉強していけるだろうと思っていました。しかし、資格試験や専攻科入学にあたっての勉強で、仕事をしながら勉強することがどれだけ大変なことかを身をもって感じました。そして学生の時、自分がいかに贅沢な時間を過ごしていたのかということに気が付きました。また、以前の私は専門的な勉強を重ねていけばいくほど、自分の専門分野以外に興味を示さなくなりがちでした。しかし研究やインターンシップ等で、さまざまな業種の方と懇談させていただく機会を経て、“学んで無駄になる知識はない”ということを改めて教えられました。
  私が専攻科に在籍するのはあと一年ですが、この一年で経験したことを生かし、今後の就職活動、研究を含めて、常に目標を持って確実にスキルアップしていこうと思います。またこの機会に多くの人と交流し、人間的にも成長していきたいと思います。そして再び社会に戻った際には、社会に有益な技術者となれるよう、日々努力していこうと思います。

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