目次へ戻る   

機械工学と環境問題

岩手大学

工学研究科 機械工学専攻 修士1年 千葉 雅俊

  ここでは機械工学を学ぶ者が、環境問題についてどのように関わることができるかという例を列挙していこうと思う。というのは、私自身が将来環境問題に関わる会社で働きたいと思っており、同じ想いを持っている方々の手助けになればと考え、就職活動を通して知った情報をここにまとめようと思ったからである。
  まずは資源の再利用という観点で見ていくと、鉄や非鉄金属などのスクラップを再利用する技術、さらにそれを製品化し得る純度などに加工する技術などが挙げられる。これはどちらかと言えば材料系の分野のように思われるかもしれないが、各工程での技術管理や加工を行う機械の設計など機械工学の知識が求められる場面は多い。
  次に資源の節約という観点で見ていく。これは言うまでもなく、機械の効率を上げるという点に尽きるのではないだろうか。例えばものづくりを行う工場では風と水の循環が必須であり、送風機やポンプの稼動に工場全体の消費電力のほとんどを使う所もある。もしもそれらの稼動効率を飛躍的に上げられれば、消費電力が削減され、CO2消費量や有害物質発生量の削減につながるはずである。
  また動力部自体の効率ではなく、それが動かす対象に工夫を加えるという考えもある。例えば車ならばエンジン効率を上げるのではなく、新たな材料やその加工法を開発することで強度を維持したまま各部品の軽量化が達成できれば、結果として消費燃料を減らすことができる。さらにLMガイドといった、小さな動力で大きな仕事を行える部品の開発なども有効な手段であろう。
  以上のようにいくつか列挙したが、これらの例はまだごく一部に過ぎない。もしこれを読んでいただいた方にとって、これが何かの役に立てば幸いである。

目次へ戻る