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I LOVE YONEZAWA.

山形大学 機械システム工学科4年  橋本 里美


  米沢はその周囲を山々に囲まれた,まさに大自然の真っただ中の街である.夏は猛暑,冬は2メートル以上の積雪といった自然の猛威に毎年見舞われる.冬場は膝丈のゴム長靴が必需品だ.
  私が2003年春に山形大学工学部に入学し,2年次に米沢キャンパスへ移行してから3年の月日が流れた.引っ越したばかりの頃は,夏冬の過酷な気候や交通の不便さに馴染めず,正直しんどい思いをしていた.だが,1年,2年と住んでいるうちに米沢の良い所をたくさん見つけることができるようになった.厳しい自然の中にあるからこそ味わえる贅沢がここにはあるのだ.
 ・夏の夜,小野川温泉で何十匹もの蛍に囲まれたこと.
 ・住宅街で野生のカモシカに遭遇したこと.
 ・冬,雪で大きなかまくらを作って,中でお餅を焼いて食べたこと.
 ・平日の放課後にスノーボードをしにスキー場へ通ったこと.
 ・満天の星空を毎晩眺められること.
 ・初めて蕎麦を食べて美味しいと思ったこと.
このどれもが私にとって生まれて初めての出来事であり,これらは都心の大学に進学していたら体験できなかったはずである.
  自然の厳しさと恵み.その両方を経験できる大学生活を経て,私は心身ともにかなりタフになったと思う.1年次から講義などでお世話になっていた先生が,ある日私にこう言ってくださった.

「1年生の時に比べると,顔つきがたくましくなった.」

これは,試験で「優」の成績をもらうよりもずっと嬉しかった.

  米沢に来て良かった.心からそう思う.



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