「専攻科というものについて」
秋田工業高等専門学校専攻科 生産システム工学専攻2年 土田 さくら
普通の,いわゆる一般的に高校と呼ばれる学校へ進学した友人らには“高専”という存在はいまいち理解され辛かった.それはそうだろう,“高専”というものを知ってはいたが,工業高校のほうがずっと理解し易い存在だったからだ.五年制で工業系,という以外説明のしようもなかった.私には工業高校との違いを説明することはできなかった,なぜなら,工業高校でどのようなことが教えられているかわからなかったからだ.
次に私は進学した.同校の専攻科だ.これもまた友人らには説明し辛かった.“高専”は知っていても“専攻科”を知る者は少なかったのだ.五年通うと短大卒と同等の資格が得られて,専攻科で二年学ぶと大卒と同等の資格が得られる,というように説明していたが,実際は多少異なる.専攻科に在学して,修了すれば大卒と同等,というものではなく,学士の資格をとるために別途試験を受けなければならないのだ.多少これには理不尽さを感じる.確かに,高専(専攻科)は大学ではないし,大学とは別の機関ではある.しかし,私たちに教鞭を振るってくださる教官の方たちは,学士のレベルの学生に指導できるかどうかという試験を受けさせられているのだという.これでは二度手間ではないか.教官の方たちがそういった試験を受けていないのであればまだわかるが,“学士レベルの学生を指導しても良い”と判断された教官に教えて頂いているのに,わざわざ往復4万を超す旅費をかけて試験を受けに行かなければならないのだから.一貫教育一貫教育と言ってはいるが,いい所ばかりではないのも事実だ.特異なシステムで動いている学校だからこそ,学生からしてみれば「おかしいんじゃないのそれ」というようなことは結構多い.一番身近なところでは“出席を取るのに公欠は認めない”というものだろうか.専攻科は大学と同じで出席と言う概念が以前はなかったらしい,しかし,JABEEの関係か出席を取るようになったのだが,今度は公欠を認めてもらえないのだ(本科は勿論認めてもらえる).これは以前の出席を取っていなかった頃の名残だと思われるが,就職活動などで同じ曜日に偶然何回も休まねばならなかったとしても,それは公欠ではないのだ.その曜日にあるのが必修単位だったらどうするつもりなのか,我が校の付け焼刃な対応にはほとほと呆れるばかりである.
細かいことを言っていけば切がないが,専攻科へ進学する無数の後輩らのためにも,不明瞭なこれらを含む多くの点について,早期に解決されることを切に願うばかりである.
2007年1月
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