「一関高専を振り返って」
一関工業高等専門学校 機械工学科5年 中村 厚太郎
私が一関高専に入学してから,すでに5年が経過しようとしている.入学した当初はこれから5年間も同じ学校で過ごすと思うと,とても長く感じた.授業は難しく,ついていくのがやっとだった.それに寮での生活は過酷なものだった.対面式では先輩たちにいじめられたし,毎朝の点呼は拷問かと思うほどだった.寮を出たいと思うことは何度もあった.でも,仲のよい友達もいたし,何よりテスト前は寮生の特権で夜遅くまで友人と勉強できた.一年が経つころにはそれほど苦と感じることは無くなっていた.
何とか高専の生活にも慣れ,日々の生活に余裕が出はじめた3年生ころに自分の将来について悩み始めた.一体自分が何をやりたいのか,よくわからなくなってしまっていた.そのまま4年生になってしまった.その4年生で機械学会に入会する.毎月届けられる機械学会誌には最先端の技術に関する論文が掲載されていて,非常に興味深いものだった.自分の将来を考える上でとても大きな影響を与えてくれた.私は4月から医療機器関係の会社への就職が内定している.実際,その会社に就職したいと思ったのも,そこでの仕事に興味が出たのも,学会誌からの影響があったからである.
学会誌を読むことで,今まで疑問に思っていたことが解決したり,新たに興味が湧くことがいくつもあった.ぜひ,たくさんの人に読んでほしいと思う.きっと役に立つはずだ.
高専で学んだことを生かし,これから社会に出てエンジニアとしてがんばっていきたい.そして,何かにつまずいたり,壁にぶち当たったときは機械学会誌を開き,一度初心に戻って自らを奮い立たせたいと思う.
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