秋田高専機械工学科5年 奈良 卓
メダカ
『この前お母さんから、3歳くらいの頃にはおじいさんに家の前の田んぼでホタルをとってもらっていた、という話を聞きました。その頃はたくさんいたホタルが今は一匹もいません。僕は生き物が大好きで、「歳取ったらとにかく広い土地を買って、そこに生き物をたくさん放して毎日観察したい」と本気で思っているくらいなので、深刻に感じました。このままでは生き物がいなくなってしまう、今いるメダカ、ヤゴ、ゲンゴロウ、タイコウチなどを守らなければ、と思いました。テレビ、授業で環境破壊について知ってはいても、環境破壊が今進んでいる、という実感はありませんでした。少しずつ破壊されていくので、気づきにくいのだと思います。特に、電気や様々な商品は出来上がった状態でやってくるので、環境に悪影響を与えているということを実感できませんでした。それを実感したからといって、電気などを使わないでは生きていけません。それは牛や豚の肉を食べるのと似たようなものだと思います。「殺すのはかわいそうだけど、肉を食べないと生きていけない。人間はそういう生き物だから。」と言って、屠殺は誰かに任せて自分は肉を手に入れるわけです。そう考えると、人間というのはどうしようもない生き物です。他の生き物には「今すぐ絶滅しろ」と思われているかもしれません。子孫からは「先祖って相当ダメなやつらだったんだな」と言われるかもしれません。』と、大体そんな内容のことを小学生の高学年の時に発表したか、作文に書いた記憶があります。その時に「自分ができること」として学んだ、ポイ捨てしない、ゴミを拾う、水を出しっぱなしにしない、などは今でも心がけていることです。そして、それでだけで満足してきました。
高専に入学してから、「メダカが絶滅しそう」という内容の記事を見て、久しぶりにその田んぼに行ってみました。30分ほどあちこちを掬った結果は、アメリカザリガニ2匹とタナゴ2匹、メダカ2匹でした。小学生の頃は群れで泳いでいたメダカが、ホタルと同じように消えかけていました。
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