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私の故郷

秋田大学・工学資源学部 機械工学専攻 馬 勇

 私は中国からの留学生で、故郷は中国・河南省である。日本に留学し、日本の方々と接してから分かったが、多くの日本人は中国といえば思い浮かぶところが北京や上海、そして日本とゆかりのある東北三省はよく知っているようだ。こういうことは中国人にもよくある。例えば、中国人に日本といえばすぐ思い浮かぶのは東京や、大阪、そして京都かな。こういったことから私は今回自分の故郷・河南省を皆に紹介し、その文化、歴史を多少でも日本の方々に知って頂けたらと思っているところである。

 河南省は中国の中東部に位置しており、省の大部分が日本人にもよく知られている中国の母なる河−黄河の南にあるため、「河南」という名が付いたそうだ。気候的にも大陸性季節風気候で、四季の区別がはっきりし、四季の風景を楽しめる。河南省で最も有名な所は開封、洛陽である。中国の文化、歴史上でも重要位置を占めている。開封は中国の七大古都の一つで、今まで2700年余りの歴史を持っている。悠久たる歴史があるゆえ、現在でも鉄塔、龍亭、相国寺などたくさんの名所旧跡が残されている。また、開封は北宋時代に都として日本との交流の歴史もあったようだ。


開封龍亭

 この他、河南省の自慢のところは少林武術、陳氏太極拳の発祥でもあるところだ。河南省の鄭州にある嵩山少林寺は 北魏時代(495年)に建立された中国仏教禅宗の総本山で、少林拳術は唐の建国者太宗を助けた功績で有名である。食文化も中国では有名だが、なぜか日本の中華料理ではあまり見られないので機会があれば宣伝したいところである。有名な料理といえば、スッポン料理、サソリ料理、開封の小龍包、そして鄭州の黄河の鯉料理、洛陽の宮廷料理がとても有名である。また、日本人には中国のお茶といえば福建省の烏龍茶ぐらいしか思い浮かばない人が多いようであるが、河南省もお茶の産地として有名で 中国十大銘茶の一つの信陽毛尖茶は 中国でお茶を飲む人であれば誰もが知っているぐらい有名である。

 機会があればもっとたくさん、もっと詳しく紹介したいところである私の故郷・河南省。日中国交正常化ももうすてに31周年なり、両国の人々の行き来も頻繁になってきている。河南省・開封市は1984年から埼玉県の戸田市と姉妹提携をしたり、長野県の下諏訪町、三重県の伊賀町、伊勢市、岩手県の千厩町とは様々な分野で友好交流をしたりしている。中国の国土は広大でその文化、歴史、そして著しい発展が魅力溢れている。中国への旅を心に決めたときにはぜひ河南省も旅の計画にいれてみたらいかがでしょう。

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