陶 芸
福島工業高等専門学校 機械工学科4年 ジョナス アディティヤ プラムディタ 私の高専では編入学したばかりの留学生に日本文化を紹介する「課外補講」という授業がある。これは普通の授業と違って、土曜日や日曜日を使って学校の外で行われている。私も3年生のとき陶芸、書道、居合、着物の着付けを実際に体験したり、日本の古い建築物を見学したりした。短い時間でいろいろなことをやるので、完全にマスターすることはできなかったが、今でも楽しい思い出として心に残っている。 そのなかで一番おもしろいと思ったのは陶芸だが、5回の授業で全部の工程をやらなければならないので大変だった。1回目は陶芸とはどんなことかを習って、先生の指示に従って回転する「ろくろ」に土を載せて、手で形を作ることを練習した。回転のスピードに合わせないと、すぐ形がこわれてしまうので何回も失敗したが、だんだん慣れてくるとちゃんとした形が作れるようになった。2回目は「ろくろ回し」に慣れてきて、先生に手伝ってもらいながら小さな皿、茶碗から大きな壷まで作ることができた。それから一週間後、作品が少し乾燥したころに「けずり」を行った。まだ土が軟らかいうちに皿や茶碗の底やふちを少しずつ削って形を整えたが、回転している台の上の作業はちょっと気を抜くと形がぐちゃぐちゃになってしまうので集中が必要だった。4回目は一番楽な作業で、皿や茶碗に自分の好きな絵を描いてから「うわ薬」をかけた。それを先生が窯で焼いてくれて、5回目に作品を見る発表会があった。最初はこんな土から本当に皿や茶碗ができるのだろうかと思っていたが、自分の作った物を見たときはとてもうれしくて、陶芸ってすばらしい芸術だなと実感した。 今回の実地見学では今まであまり見る機会がなかった企業を数多く見学することができた。これにより今まで漠然としていた自分の将来の進路に対して、どんな仕事がしたいのか、どんな仕事が向いているのかを考えるとてもよい機会になった。これから卒業までの一年と数ヶ月を自分の将来の目標達成のため甘えを捨て自覚を持って頑張ろうと思った。 日本人の友達でも陶芸を体験した人はあまりいないようで、日本文化を味わうことができた私はとてもラッキーだと思っている。課外補講を通して日本文化の豊かさを知り、これまで日本は技術社会だけだと思いこんでいた自分の考えが一瞬で消えてしまった。 |