全国学生研修会
秋田大学大学院鉱山学研究科 機械工学専攻2年 清水 正彦 秋田大学工学資源学部 機械工学科4年 四戸 俊 8月28〜30日に全国学生研修会が福井県で行われ、全国の各支部から学生員の方々が参加し、工場見学や懇親会などを通して勉強しつつお互いに交流を深め合いました。 工場見学では、建設機械製作のコマツ粟津工場とマシニングセンタの製作を行っている松浦機械製作所を訪問しました。コマツ粟津工場は、場内がとても広く、ライン上で建設機械の組み立てが行われていました。工場見学後には、コマツのエンジニアの方と直接お話できる機会があり、普段は聞くことができない現場で働いている方の生の声を聞くことができ、とても良い経験となりました。松浦機械製作所では、高精度、高速加工のマシニングセンタの開発、製造が行われていましたが、マシニングセンタの高速加工技術を目の当たりにして、そのスピードと正確さには驚くばかりでした。二つの工場見学を通して、日本における機械製造技術の高さに驚かされたと共に、自分たちが技術者という立場になった時、どこまで通用するのか、不安に思ってしまいました。 これらの工場見学の他に、エネルギーと原子力の研究が行われている若狭湾エネルギー研究センターの見学も行いました。施設には、がん治療や元素分析に使用される多目的加速器システムがあり、実際にがん治療も行われていました。この他に屋上には太陽光発電システムが設置されており、その性能についての研究も行われていました。将来のエネルギー問題に注目が集まる中、今後はこの様に、様々なエネルギーについて研究を行える施設が数多く必要であると感じました。 研修中は、工場や研究センターの見学以外に福井県立恐竜博物館と曹洞宗大本山永平寺を見学しました。中でも永平寺では、厳かな雰囲気の中で僧侶による禅の修業が行われており、その場には時間の流れを忘れさせる独特の空気があり、今まで体験したことのない世界に吸い込まれたかのようでした。 懇親会では、おいしい料理に箸をつけながら各地域の委員長校の方々と研究内容や地域の話題について話が盛り上がりました。また、今回の研修会には、他大学の先生方が参加しており、先生方からは機械工学についての専門的な事からおいしいお酒の飲み方、人生の勉強の仕方についてまで楽しいお話をしていただきました。普段の学生生活の中では、この様に他大学の先生方とお話をする機会がないため、この懇親会が私たちにはとても新鮮であり、また勉強になりました。 委員長校会議では、全地域の委員長校から活発に意見が出されました。東海地区の学生会からは、中部大学で行われた日本機械学会に対するアンケート結果の報告が行われました。その中では、日本機械学会の知名度が低いという現状が挙げられました。その改善策として各委員長校や先生方から、ユニークな提案や今後の課題についての発言があり、大変充実した委員長校会議となりました。 今回の研修会には、修士課程の方や学部生が参加しており、慣れない雰囲気の中で、私たちは緊張していました。しかし、時間が経つにつれて先輩後輩の区別なく情報交換できた事は、私達にとって大変良い経験となりました。参加した皆さんは、しっかりと自分の考えを持っており、自分の意見を述べたり自ら面白い話題を振りまいたりなど、とても積極的であることに驚きました。また、他大学で行われている講義の雰囲気や研究室で行われている研究の話などは、他の大学を知る上でとても興味深く、自分の研究に取り組む姿勢や進め方などを見つめ直す良いきっかけとなりました。同じ機械工学を学んでいる立場の方々と触れ合い、語り合ったことから、互いに切磋琢磨していくことが技術者として大切であり、今後、技術者の一人となっていく自分に求められるものだと感じました。 最後に、ご多忙の中、私たちのために貴重な時間を割いていただいたコマツ粟津工場、松浦機械製作所、若狭湾エネルギー研究センターの方々をはじめ、今回の学生研修会を企画してくださった福井大学の川谷先生、研修会でお世話になった各支部の方々、東北学生会の委員長校ではない私たちに参加の機会を与えてくださった秋田高専の土田先生にお礼申し上げます。 |