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ティーチングアシスタントをやってみて

秋田大学大学院工学資源学研究科機械工学専攻

博士前期課程1年 小松 努

 大学院に進学するとTA(ティーチングアシスタント)の仕事がもらえます。TAの主な仕事は先生の授業の補助をしたり、学部生に実験を教えたりする事です。学部生の時は教えてもらうだけなのが、TAになると教える立場になるのです。

 僕は10月から11月の2ヶ月間、医学部1年生の基礎科学実験を教える事になりました。基礎科学実験の中でも様々な項目があり、その中で僕はオシロスコープの実験を担当する事になりました。僕は人前に立つのが苦手で、教えるのが苦手だと思っていました。さらに、オシロスコープも自分の研究では使わないので、すっかり使い方を忘れてしまっていたのです。TAを依頼された時、僕は本当に学生を教える事が出来るのかという不安でいっぱいでした。しかし、せっかく大学院に進学したのだから、いろんな事をやってみようと思い、実験のTAを引き受けました。

 不安な中で8月からTAの研修を受けました。研修で、仮実験をしていくうちに、すぐにオシロスコープの使い方は思い出しました。研修では教材を作ったり、実験のトラブルシューティングをしたりと、いろいろな事をやりました。研修の最後に、先生達の前で模擬授業をするのですが、模擬授業が終った後も、本当に自分に何人もの学生を教える事が出来るのかという不安は消えませんでした。しかし、最初の学生を相手に実験を教えてみて、その不安を拭い去る事が出来ました。大変さや、不安を感じる前に面白かったのです。いろいろな学生と接する事が出来るし、学生から頼られるのも、悪い気はしないのです。良い質問が出ると嬉しくなる時もありました。教える事がこんなに面白いとは夢にも思いませんでした。

 様々な課題も見つかりました。伝えなければならない事が学生に伝えられなくて、先生やスタッフの方にご迷惑をかけてしまう事もありました。教える事の難しさや、人を納得させる事の難しさも感じました。また、自分の勉強不足も痛感しました。しかし、大学院生の時にこのような経験が出来た事は、僕にとって、いい経験になったと思います。学生を教えると言ってますが、実は学生から教えてもらっているのは僕なのかもしれません。



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