私の『裏』高専生活
秋田高専 機械工学科5年
成田 礼子
『高専での5年間』を今振り返ってみると、すごく長くてとっても充実していたなぁと思える。でも、まだまだやりたいことはいっぱいあったし、このまま卒業したくないなぁと毎日のように思ってしまう。
というものの、私は学生としてやるべきはずの勉強はそっちのけで、学校が終わってからの放課後が私にとっての高専生活だった。学生会に始まって、ラグビー部のマネージャー、趣味でもある写真部、友達と始めた生活文化デザイン同好会・・・と、自分でもよくできたなぁと思えるくらいいろんなことをやっていた。
そのなかでも、私が1年生の頃から続けているラグビー部のことを話そうと思う。多分、“ラグビー”と聞いて最初にみんなが思うのは、“男くさい”とか“汚い”とかそんな最悪なイメージだと思う。そして、ただでさえ部活にはいる気のない高専生がこんなスポーツに興味をもつわけもなく、私が1年生の頃は20人ぐらいいた部員が、5年生になった今では10人ちょっとという大会出場さえ危うい状態になってしまった。
私が部活にはいったのだって、何か部活のマネージャーをやりたかったというだけで、しかも本命だった野球部はすでにマネージャーがたくさんいたし、じゃぁラグビー部でいいかなぁという中途半端な理由からだった。実際、マネージャーの仕事というのも、はっきりいってほとんど無くて合宿や大会での洗濯や飲み物などを準備するのが主な仕事で、最初の頃は、部活に行ってもやることが無いしただみんなの練習を見ているだけでとてもつまらなく、ほとんど幽霊部員に近い状態だった。でも私は部活を続けていくうちに少しずつ考えが変わってきた。
部員も私と同じようになんとなくで部活をやっているのかなぁ、と思っていたけど試合で足を痛めたり、顔を蹴られてすっごいはれたり、1回の試合だけで体中アザだらけになったりするのにそれでもラグビーを続けているのは、自分が本当に好きで打ちこめることをやっているからなんだなぁと今では思う。何か打ちこめることもなくて、適当に生活している人にはわからないと思うけど、私は見た目とかそういうのにこだわるんじゃなくてこういうのが本当にかっこいいっていうことなんだ、というのをラグビー部の人たちに教えられた気がする。
この他にも私は、5年間で得た高専の友達たちにたくさんのことを教えられ、そして自分を成長させてきた。本当にまだまだやりたいことはいっぱいあるけど、多分これからも次々やりたいことができてこのままだったら何年あっても足りないぐらいなので、このへんで卒業するのがちょうどいいのかもしれない。
でもまだ、私には本当にやり残していることが1つだけある。それは・・・“勉強”だ。今までは、あまりにも勉強そっちのけの生活だったので来年からは専攻科に進学して自分の打ちこめることを“勉強”にしたい。そして、私の『裏』高専生活も卒業して、来年からは本当の高専生になろうと思う。
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