「ロボコンでの活動を通して」
秋田工業高等専門学校 機械工学科 5年 小林修一 「アイデア対決ロボットコンテスト」、通称「ロボコン」。ご存知の方も多いと思います。私は高専入学以来、毎年ロボコンの活動に参加してきました。このロボコンは、私の5年間の高専生活を振り返るうえで欠かせないものです。ここでは私の秋田高専機械工学科ロボコンチームのメンバーとしての5年間の活動を通して、学んだり考えたりしたことの幾つかを書きたいと思います。 まず第1に学んだことは、やはりモノを作る為には「知識」が必要であるということです。当然のことだと思うかもしれませんが、ロボコンに参加するようになって私は改めてそれを痛感しました。知識が無ければ、自分の中に作りたい物のイメージがあってもそのイメージを具体化することも、実際に製作することも出来ないのです。高専に入学して初めてロボコンの活動に参加し始めた頃、マシンのアイデアを出し合う段階で、自分の頭の中ではマシンのイメージは完全に出来上がっているのに、その頃はまだほとんど専門知識も無く、専門的な用語も知らなかったので、実際にどのような機構でそれを実現するのかも分からなかったし、その案を他のメンバーに伝えることも、先輩方の案を理解することもままなりませんでした。このような経験を通して、日々授業で学んでいく知識がどのように物作りに使われるのかということや、その知識を実際に活用する術を学んでいきました。 3年生くらいになると、下級生に一緒に作業をしていく為の色々な指導をしていかなくてはいけません。その際に、これから自分達がしようとしている作業について、まだあまり専門的な知識が無い下級生に分かりやすく説明してあげなければならないという場合があります。初めのうちは人に教えるということに慣れていないうえに、自分では理解していたつもりの知識が実は「経験的に覚えていただけだった」いうことも多かった為、うまく説明できず頭の中にあることの半分も伝えることが出来なかったということもしばしばでした。このことから、人に物事を分かりやすく説明するということは、その物事を本当の意味で根本から理解していなくては出来ないということ、また「知識」だけでなく「その知識に対する理解」も重要であるということを再認識させられました。
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マシンを製作する際、メンバー全員で作業を分担し、各人がそれぞれ違ったパーツを作り、最終的にそれらを組み立てて完成させます。2つの違う部品を組み合わせて1つの完成品を作るとして、その仕事を2人で分担したとすると、片方の部品がうまく出来上がったとしても、もう片方の部品がそれと組み合わせるのに満足いく精度で出来上がらなかった場合、完成はしません。つまり複数の人間で1つの物を作り上げるということは、互いの信頼に応えられるような仕事を責任持って果たさなければならないということです。その為には普段からの学習や技術の鍛錬により常に自分自身を高めていこうという意識や、自分の仕事に対する責任感が必要であるということを学びました。 5年間、ロボコンでの活動を通して学んできたことは他にもまだ沢山あります。これから先、今まで学んできたことを忘れず、経験を生かしながら自分の目標に向かって努力していきたいと思います。
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2000年の全国大会(国技館)でのセッティング風景 |