就職活動から得たもの 福島工業高等専門学校 機械工学科 第5学年 遠藤 剛 私が福島高専に入学して5年目を迎え、今まで体験したことのない不安を抱えていた。それは、「就職活動」という次の人生にすすむための学生生活最後の砦である。現在、平成不況の真っ只中就職に困っている学生がどのくらいいるのだろうか…。そして、自分がはたして社会人として認められるのかと思うと、とても心配になった。 現在、世間ではリストラが各企業の間で進められており、やっと企業がバブル時代の「夢」からさめたが、その「つけ」が私たちに降りかかってきてしまった。その事を実感したのは、求人の状況が記載されている掲示板を見た時だった。私は愕然とした。思っていたよりも、いやそれ以上の求人数の少なさだった。 実は、私は就職に対しての考え方が甘かった。昔から、県内でもトップクラスの学力と就職率の高さなどから、私は福島高専に合格した時、実際にある程度将来は約束され多くの企業から沢山の求人がくるのだと信じ込んでいた。「話が違う」「なぜ就職がみつからない」その現実を知った時、ショックを隠しきれなかった。 しかし、実際の問題として全く求人が来ないわけではない。高校生などは、より事態が深刻であり、全く求人がないことがテレビ・新聞等から毎日のように知らされる。それを聞くたびに現在の状況の深刻さがひしひしと伝わってきている。 だが、私たちは目の前にある「就職戦争」から目をそむけてはいけないと思う。それは、私たちがこれから生きていくうえでの初めの一歩が、「明るい未来」ではなく「過酷な現実」なのかもしれない。 けれども私は、この「就職戦争」に勝つことにより、誰にも負けないハングリー精神を持つことができた。そしてこれからもこの精神は、人生の中できっと役立つだろうと思う。 |