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カフェ・オレ理論

福島工業高等専門学校
機会工学科5年 清水 正彦

 カフェ・オレ理論。僕が大好きで、いつも心に留めておいている理論。何故カフェ・オレなのかっていうことはだれも知らない。そして、この理論は思いの外あまり知られているものではないようなのだ。今日はこれについて話してみようか。

 あるところにAさんとBさんがいました。Aさんはとっても、とってもカフェ・オレが飲みたくてたまりません。ところが、BさんはそんなAさんに絶対にカフェ・オレを飲ませたくありません。Aさんはまず家にある冷蔵庫を見にいこうとしました。それを見たBさんは、先回りをしてAさんの家の冷蔵庫からカフェ・オレを隠滅してしまいます。
 それでも諦められないAさんは近所にある自動販売機に向かいます。そしてBさんはまたも先回りをして、その自動販売機からカフェ・オレを隠滅してしまいます。Aさんはその後近くのコンビニ、隣町、日本中と駆け回ります。Bさんもそれを一つ一つ先回りして隠滅し続けます。
 それでもAさんがカフェ・オレを読められなかったらどうなるでしょう?Bさんはこの世の中からカフェ・オレというものの存在を全て消してしまわなくてはいけません。それはこの世の中の仕組みそのものを変えてしまうことに等しいことです。

 すなわち、この話で言いたかったことは、人ひとりの意志を変えることは、世の中の構造そのものを変えてしまわなくてはならない。そして、そんなことは不可能です。だから人が意志を持って何かをやろうとした時にそれを妨害することはできない。そういうことです。
 この話を初めて聞いたとき、なぜカフェ・オレなのか、ということや、Bさんは本当は何がしたかったのか、ということよりも、もっと自分に大切な意志というものを柄にもなく考えてしまった・・・。
 今でもこの理論は、何か目の前に大きな壁が現われたとしても、そんなものは気にせずに自分の意志を貫けるようなそんな力を僕に与えてくれる。

 人が何かしようとしたとき、誰でも思いと思うもので、これは当たり前のことだということをこういうふうに説明した人がいます。
 未来は背中からやってくる。誰も背中に目などないから、未来がどうなっているかはわからない。そして、背中から来た未来は、過去として自分の目の前に広がる。このため、過去は目で見ることができるのだ。誰でもふいに背中から来るものに対して恐怖を感じない人はいないはずだ。
 と、いうことです。だから僕も、これから起こる未来に恐れるよりも、いま現在を丁寧に紡ぎ、これから目の前に広がる過去を良いものにしていこうと思ったりしています。
 最後に、皆さんが大きな意志の許に大いなる未来を築くことができるよう。
 大熊の自宅にて


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