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ロボットワールド出展に際し

一関工業高等専門学校 機械工学科5年 菊池 裕也  武田 竹志
                   佐藤 竹志  イスカンダール

 七月末から八月末の一ヶ月間・仙台市の科学館で行われたロボットワールドに、私たちの卒業研究グループからも倒立振子(バランスロボット)と全方向自在移動(八方美人ロボット)の二台を出展しました。
 倒立振子は私たちも量初の実験を行ったときめずらしいものを見るような好奇心となぜ立っているのかという疑問を持ちました。倒立振子の周りを見ても最初の内はいろいろな部品がどんな役割をするものなのかよく分かりませんでした。しかし、卒研開始以来、倒立振子を間近でじっくり見ることが多くなりそれまで培ってきた知識と融合させてやっとどのようなものか理解できるようになりました。自分が思うにはおそらく倒立振子という物は、同じことだと思いますが振子を立たせる物ではなく、振子を倒れさせない物だと思い沈それは振子の側面と駆動プーリのポテンショメータなどの検出器の存在です。ペテンショメータは位置と角度を検出する物で、倒立振子のシステムを起動する際に振子に直角を、台車に位置を与え初期値として直角からずれるとポテンショメータより台車の位置及び倒立振子の傾角を検出し、オペアンプ及びA/D変換器を介してディジタルチータとしパソコンに入力され、安定化に必要な換作量を算出しD/A変換器及びパワーアンプを介してモータを駆動し初期設定に近づけるようにするフィードバック制御である。
 難しい説明だったかもしれないが、簡単にいえばバランスをとるロボットで、現在のロボットの基本となっている事なので、今回の展示で多くの子供達なども目にしてくれた事は、大変喜ばしいと思います。
 また全方向自在移動車は今年卒研のテーマとして、私たちに与えられたものでした。全方向自在移動車はすでに先輩が作ったものがあったので、初めのうちはあまり一生懸命ではなかったのですが、夏休みにはいる直前の頃先生からロボットワールドの事を言われ、急いで私たちは改良にとりかかる事になりました。日数があまりなかったので大一きな改良は出来ず、入力電源の方式を変えたり、タイヤを強化したり、制御装置や変圧器をアクリル板の下に配置して持ち遺びが簡単なようにするにとどまりました。これだけの作業でしたが、前日までかかってしまい「改良」の難しさを思い知らされました。「二球面全方向移動機構」という従来の車輪機構とは全く違う方法でモータにはDCサーボモータを用いて速度制御も行い自在に舵を取りながら移動する事が出来ます。今後はせまいスペースでの人、物の効率の良い移送などを利用して、工場内の無人化、その他危険作業用ロボットや福祉ロボットの閨発など幅広く技術を応用していく事が望まれます。まだまだ改良の余地は多く実用化に向けても、前途多難ですが人の手助けになる物また世の中の役に立つ物を作る事こそ、私たち技術者を志す者にとっても目標であり使命でもあると思うので、今後もその目標に向けこれらを改良して行きたいと思います。


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