私と機械工学 八戸工業大学 工学部 機械工学科 4年 古内ともえ 私は、普通高校から機械工学科に入りましたが、やはり初めは男子の多さに圧倒されました。140 人中女子3人。本当にこの中でやっていけるのか、すごく不安でした。それは、工業高校から来た人違はもうすでに機械についての大体のことを知っているし、工作実習も経験してきているし、機械についての知識がほとんどない私とは雲泥の差です。この差をなくすためにはかなりの努力と根性が必要だと思いました。 1学年は教養科目がほとんどだったので大丈夫でしたが、学年が上がると機械の専門科目が一気に増えました。材力、熱力、水力など頭を悩める教科ばかり。その上、設計製図や工作実習も加わってきて大変としか言いようがない状態でした。設計製図では、ドラフターやCADを使って図面を書くのは格好良いと思っていたので、初めてドラフターを使って書いた時は感激しましたが、強度計算には泣きました。図面を書き始めてから、設計値に不都合が生じていると気付くと、また最初からやり直しで、今までの苦労が全部水の泡に。工作実習は旋盤、溶接、鋳造など、どれもこれも初めて体験することぱかりで緊張の連続でした。初めは、「きつい、汚い、危険」の3Kと思っていましたが、実際にやってみると楽しいものでした。課題で作った引張り試験片など、自分一人で作れたといううれしさで、家に持ち帰り、家族に見せたりもしました。 無我夢中で頑張ってきて、いつの間にか4学年になってしまったという感じですが、4学年といえば就職活動です。将来を決める大切な選択です。しかし、今年も去年に続く不況で就職の氷河期といわれ、男子にとっても女子にとっても厳しいものだったと思います。私は将来、航空関係の仕事に就きたいという夢があったので、航空関係の会社に資料請求し、会社訪問もしました。しかし、どこも厳しく、初めに「今年は採用しません。」と言われました。学年担任には「もっと範囲を広げて就職活動をした方がよい。」と言われた時は、本当にショックでした。そのことは、自分自身でもわっかてはいたのですが、小さい頃からの夢が本当にここで終わりになってしまうように思えました。そこに、卒研担当の先生から大学院に進まないかと言われました。たしかに今やっている卒研の内容はすごく興味があるものだし、大学院に推薦で入学できることは、すぐにでも飛び付きたいくらいのいい話です。でも、就職できないから大学院に進学するといった逃げ道を作ったような感じもして悩みました。そして、悩んだ末、私は大学院に進学することを決めました。逃げ道ではなく、自分に力をつけるために勉強するという前向きの気持ちで。 大学院の2年間の研究活動を通して、もっと自分を鍛え、数少ない女性技術者の一人になりたいと思っています。 |