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近づいてみよう

平成6年度委員長校顧問
東北大学  坂  真澄

 学会は皆さんが皆さんを宣伝する場である。積極的に自分から求めて欲しい。求めなけれぱなにも獲得できない。与えられるのではなく獲得するところである。求めれば限りなく獲得できる。どんなに立派な学会であると社会から評価されている学会であっても、斬新な研究が数多く発表されていても、皆さんがそこから知識を探り出し、自分の宣伝に生かそうと学会をフルに利用しなければ、皆さんにとって学会の存在は何も意味をもたない。
 自分を宣伝することを積極的行動に移し、実践する。それを狙ってまず十分な準備に努力する。これにより力がつく。次に宣伝の場で、他の研究者と議論する。これにより知識が深まる。脳の柔らかい着い時代に、どれだけの成果を挙げることができるか、大きな発展のためにどれだけの基礎を築くことができるかは、現在の皆さん自身にかかっている。学会を大いに利用し、自分自身を鍛練して、益々自信を増やして欲しいと思う。そのためにも皆さんの貧欲な探求心を益々磨いて欲しいと思う。
 物事の真理の理解の仕方には、いろいろな方法があるかもしれない。一例として力について思い出してみよう。力を考えるにあたって、主語と目的語が存在することに注目すれば理解が楽になるであろう。すなわち力とは何か(主語)が、別の何か(目的語)に及ぼすものである。主語だけでは力を特定できない。またここで主語と目的語が入れ代われば、大きさは等しいが方向が逆になる。これが作用反作用である。いかに考えれば理解しやすくなるかを考えることは苦しい、が楽しい。
 近づいてみよう自分自信の可能性に。


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