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2分間のための ROBOCON’94

秋田工業高等専門学校
 機械工学科3年 伊藤 勝吾

 今年のロボコンはフライングディスクを各点のホールに飛ばして入れるという純極まりないゲームだった。というふうになる予定でした。6月頃の話では・・。まず製作にあたり1番目にぶつかったことは,ディスクを横と縦のどちらで打ち出すか,という事でした。当然横で打ち出すつもりでいた僕の意見とは別に,スタッフ10数名は皆縦を選び,その理由として「実験から縦の方が命中率が高いから。」という事でした。次にぶっかったことは,どのようにしてディスクを飛ばすかということで,最高距離Vホールまでの6m強をそのまま打ち出すか,レギュレーションにより3mまでは空中に進入してもいいことからアームをのばしてその先端から打ち出すか,という意見に分かれましたが,浮力を得られないため短い飛行?の方がいいという事になり,結局マシンのしくみは,アームをのぱしその先端から縦で打ち出すという形で決定しました。ディスクの取り込みは,マシンのバランスから分離型は不可能という事がわかり一体型で製作されることになりました。そして,水平で取り込んだディスクをどうやって縦にするか,などの数多くの問題がありましたが,周囲からの助言などによりなんとかクリアしていく事ができました。しかし,最後まで泣かされたのはどこのマシンも同じだと思いますが,8kgという厳しいレギュレーションでした。とにかくマシンに穴をあけ続け,落とせる部分は容赦なく落とし,強度はほとんど無視に近い状態で軽量化されていき,しまいにはケーブルの本数までが制約され,泣く泣く削ったコントローラの機能もあったほどでした。現地でもさらに軽量化を行い,最終的には計量の十数分前にようやく完成というかなりいい加減なマシンで,ろくに練習もせずに試合に臨む事になりました。
 仙台で行われた地区大会では,意外にも縦型マシンが我々を含め2台しかなく,しかも一回戦でその2台があたるという,何とも不運な試合でした。内容もVホールを先に決められ,1勝もせずに大会は終わってしまいました。が,何故かアイデア賞で全国大会出場3チームに選ばれ,現段階でもまだ製作が続いています。きっと全国大会では,ものすごいマシンが出てくることでしょう。
 2年間しかロボコンに携わっていない僕ですが,それなりに得たものはあると思います。とても健康的とはいえない製作期間も,無茶な作業方法も,今を思えば非常に良い体験であり,間違いなく今後の技術と自信につながると思います。


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