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 東北学生研修会を終えて

 八戸工業大学工学部
 機械工学科4年 松沼 隆行

「東北学生研修会」、この名前を聞いただけで堅苦しく、重い会だろうと私は想像した。そして、この会を自分が責任者として果たして実行できるのだろうかと思い、また、失敗したらとの思いが脳裏に浮かんだ。次に、青森の見学場所をどうするのか考えた。なぜならば、私は青森県人ではないので、地図や観光案内の本を調べた。やはり機械学会、東北学生会という名前がついている以上、遊びの会ではない。去年の資料を見ると、工場や観光名所を見学している。しかし、県内に先端企業が少ないのが現状である。
 こうしてあれこれ考えている内に六ヶ所を思い出した。「そうだ!六ヶ所だ、青森県内で見せるならば六ヶ所しかない。」とじぷんに問いかけた。正確に言えば上北郡六ヶ所村にある日本原燃株式会社原子燃料サイクルセンターである。この場所は、大変な田舎であるが、むつ小川原計画があり、国家石油基地や環境科学技術研究所などがあり、従ってこの村の公共施設は非常に整っているのである。最終的には、全国の原子力発電所からその廃棄物を六ヶ所に集め、この場所で処理するのである。青森県としてはこの再処理施設は、金の卵かも知れないが、依然反対の声が根強い。色々考えたが、この場所は八戸と地理的に近く、バスで行ける圏内のために、最終的見学場所に決定した。一日目はこれで決まったが、所詮一泊二日の旅行である。一日目に駒を出し二日目は市内見学が妥当な線だと考えた。八戸には、海猫の繁殖地として全国でも有名な蕪島があるが、時期が夏なので残念ながら海猫は見る事ができなかったが替わりに遊覧船で八戸工業港を一周してもらう事を考えた。これは自分でも納得しながらここに計画案は完成した。しかし問題なのは参加人数である。計画をだした頃には七月になってしまったので、各校からの参加者は8人と比較的少なかったが、私はこの8人が満足してくれるのかという事にこだわったつもりである。こうして考えている内に、東北学生研修会当日が来てしまった。バスの中で参加して下さった人達の顔を見ながら果たして自分がこの大役をこなせるのだろうかと不安に思っていたが、そうこうしている内に一泊二日の研修会は終わってしまった。無事に済んだと自分でも安心し、またこれからの事について考えた。
 私事ではあるが、今私はあるスポーツに熱中している。そのスポーツは一人でも出来るのだが、辛く厳しい時などは一緒になって励まし合う仲間がいた方が良い。私はこの研修会で、他の大学の人達と一晩一緒に過ごし、また手伝ってくれた仲間に感謝の言葉を表し、若い気持ちで生きて行こうと思う。


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