熱工学部門「部門長よりワンポイントアンケート(第3回)」の結果報告 |
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第87期熱工学部門長 京都大学 大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 教授 吉田 英生 sakura@hideoyoshida.com |
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★2010年3月1日 日本機械学会熱工学部門 ご登録の皆様 「ワンポイントアンケート(第3回):スポンテニアス・グリッド」のお願い をクリックして下さい。設問は1(2)問です。 〆切:3月8日(月) 「仲よき事は美くしき哉」(実篤)という言葉がありますが、組織において一部だけが「仲よすぎる事は憂うべき哉」とも言えるのではないでしょうか。当部門の活動は極めて充実していると思いますが、全体からみるとどうしても一部のグループに集中しすぎる傾向は否めないと思います。 そこで、もっと広く部門メンバーが自発的に活動を提案して未知の部門メンバーにも出会って新たな展開をしていく活動の可能性があってもよいと思います。名付けて「スポンテニアス・グリッド」。最近よく話題になる分散電源システム「スマート・グリッド」に想を得た造語です。 具体的には、部門HPにスポンテニアス・グリッド受付窓口を設けます。部門に所属するメンバーで3名以上の同士が集まれば、その窓口から自発的にアイデアを届けます。活動の種類は、研究会、出版、インターネットのサイト作り、情報交換会・・・など、機械工学・熱工学に関連するものなら何でもありとします。ご提案を総務委員会で検討し、意義ありと認めましたら、アナウンスから活動全般を予算的側面を含め支援することにします。 そこでアンケートです。ご関心のある方だけで結構です。 ★2010年3月15日 今回もご回答協力をいただきまして、誠にありがとうございました。結果を以下にまとめました。 ○総回答者数: 102名 企業等: 69名 (68%) 学校等(学生以外): 20名 (20%) 公的研究所等: 6名 (6%) 学生: 1名 (1%) その他: 6名 (6%) ○時定数(総回答数の63%到達時間):6時間10分 ○問1:やるべきか否か? ・ニーズがあればやればよい: 97名 (95%) ・心配な点もなくはないので慎重に考えた方がよい: 5名 (5%) ♪ 上記結果を受けて前向きに検討したいと思います。 【コメント】 1.「ニーズがあればやればよい」と回答した方々のコメント 参加者が少ないことが予想されます. ただ,枠を作ってもほとんど使われないのではないかという懸念はある. 何をやっても研究成果になる枝葉末節研究者が中心になっている点が改善される 悪乗りキーマンが必要ですね。 ニーズは必ずあると思います. なによりもまず行動。すばらしいことです。 予算とMPとの比較で決められることだとは思うが、新たな試みは予算が許す限り、やってみて精査して報告して次のステップに進めれば良いと思う 2.「心配な点もなくはないので慎重に考えた方がよい」と回答した方々のコメント 目的がよくわかりません。やりたいことや分野を絞らないと、発散してしまいます。 企業ではアイデアなど新規の案件の導出に苦労しており、良いアイデアが出たときには後で知財の問題や制約がでてくる。 テーマが分散・発散しないでしょうか? だれが意義ありと認めるのでしょうか? 縦割り社会は楽ですが最終的に企業活動を行うにあたってはそれぞれの分野の応用・活用があって、初めて成り立つものが多いと感じます。今後も技術者に要求される方向性は変わらないと思います。組織内で活発な活動を行うには組織内の人間が連携をとることは必要不可欠と思いますが、自らの姿を気づかせてくれるのは他人であります。他の分野の動向を行かねば、自らの道も見失ってしまう可能性があります。思わぬところにヒントを教えてくれるかもしれません。今後はこういった他の組織との連携の必要性がますます増えてくるのではと思います。ガン細胞は独りよがりで他の細胞と情報交換を行わないため、母体を死に至らしめるまで暴走します。人類の継続的発展を考えると、その細胞である我々は個々の活動の情報を取り入れ、連携をとることも必要とひしひしと感じることがあります。(連携とるあまり自らの活動に制限がでるのは困りますが。感覚的ですみません。) TwitterやMixiの学会版のような気がする。弊社にもある意味似たような仕組みがあるが、そこにのめり込むと本来業務に支障を来している。同じような内容を議論する、仲良しグループが乱立して、相互の理解が進まないような状況になると、結局政治力の問題になってしまうので、若手は声を挙げづらいところが心配。 ○問2:はたしてニーズがあるか? 1.「ニーズがあればやればよい」と回答した方々のコメント すでにHPなどにより活動を行っておりますが、「生物にヒントを得た熱工学研究会」を3名で立ち上げております。会員数と活動の範囲を少し広げられればと思っています。よろしくお願いします。(京都工芸繊維大学・萩原) 大学における熱力学や伝熱工学の教育に関する意見交換の場があっても良いと思います。 Yahooの知恵袋みたいなイメージになるのでしょうか? 自分が係っていることで困っていること,わからないことなど,専門の方々から容易にアドバイスやアイデアをお聞かせいただけるようなシステムであれば,ニーズは非常に高いと思います。 知的財産の帰結が障害となります 燃焼は、どの程度、ヒートポンプなど、電気に置き換わるのが、妥当かを研究。 計算事例(結果)データベース、実験事例(結果)データベース整備 情報掲示板. 企業の技術者は豊富なノウハウを持っているが、情報を発信しようと思うとノウハウ保護の壁に阻まれる。そこで、有志が集まってノウハウを本にして出版したらどうか?その際、大学の先生とか学会の依頼ということにすれば、会社を説得しやすいので、そのあたりをバックアップできると良いのでは。企業の技術者も自己表現ができるし、大学・学会も企業ではどのようなことをしているのか知ることができるのではないでしょうか。 ・中国・東南アジアへの省エネ技術支援、省エネビジネス展開 ・企業・業種をまたがった共同開発・アライアンスの関係構築のための交流の場づくり 地方分権:たとえば高知地区大学・高専熱工学研究 官から民に:神奈川私立大学熱工学研究グループ(都市問題=ごみのヒートリサイクル) など地味な研究者に活力をあたえる 最近、自分の考えが先に立ち、相手の意図することを聞き取れない人が多いような気がします。具体性に乏しいのですが、全く別分野の方が、自分達をどう見るかというような視点の活動があるとよいと思います。 企業家(吉田注:起業家?)、先端研究者からの提案を期待したい。 思いつくものは特にありません。 ・専門書の共同出版の企画、立ち上げ ・共同研究の企画、立ち上げ(産学連携だけでなく、学学や産産連携も) ・(比較的大型の)競争的予算への共同申請企画 ・海外研究者来日情報のシェア 今後日本が力を入れていくべき分野(環境、農業、エネルギーセキュリティなど?)と熱工学の関わりを議論する勉強会など。 やる前から色々考えても仕方がありませんので、まずは走り出してみてはいかがでしょう? 思いつく話題としては「ゆとり教育世代の対応について」…ゆとり世代についてはまず大学で良い点、困った点が出てきます。彼らの卒業に伴い産業界に影響を及ぼしていくと思います。まず大学側から情報を発信頂き、産業界がその情報を元に対応を検討していく。機械系に携わる者全体で考えていかねばならない問題なので枠を超えた議論が出来るんじゃないでしょうか? 子供(高校生以下)に対する、工学的な手ほどき。模型作りでも実験でも、興味を持たせることが、成長の原点。 先生方のご研究には非常に参考になるものがある反面、その設定条件などが実製品からかけ離れている場合もあります。先生方と企業人のレベルセットになるような会があれば、自分の分野に関連することがあれば是非参加したいと考えております。 60才前後の会員が定年退職後、退会のケースが現状です。シルバーシートセッションや同ミーティングなどの企画や活動により、退会を少しでも思いとどまってもらうのに役立つのでは。 すぐには思い浮かびません. たとえば,「機器冷却技術」を中心として,宇宙,情報,電子,自動車,大型機械,空調など各分野を横断した情報交換の場を設ける(講演会,シンポジウム,研究会など) 自分自身で,すぐに思いつく活動はないのですが,機械学会での研究活動の多様性を積極的に支えようと言う,スポンテニアス・グリッドの取り組みに賛同いたします. どのようなことでも,やらないよりは,やるほうがはるかに良いと思われます.特に活動案があるわけではありませんが,このような試みは賛成です. 活動案ではないのですが,まずは希望調査を受け付ける仕組みを設け,ニーズを拾い上げる努力をしてみてはいかがでしょうか? ありきたりですし、すでに実施されていることと思いますが以下のような会(10人規模)が開催されることを希望します。あまり敷居が高くなければ参加したいです。 ・一つの大きなテーマ(例:高効率な電気自動車、うまい廃熱回生など)について研究開発から生産技術まで様々な職種の方が広くディスカッションする場の提供 ・一つの固有技術(例:貧潤滑軸受を成立させる方法)について多業種から技術者・研究者が集ってディスカッションする場の提供 具体例が出てくればあると思いますが,今のところ思い当たることがありません.確かに馴れ合いな部分は多いと思います.新しい風を入れて,オープンになれば良いと思います. 未知な領域と感じる。 現時点で思いつく活動案はありません。 内燃機関から電気自動車や燃料電池への移行ないし共存は,如何にあるべきか? 機械学会の中だけでも部門間で情報交換があってもよいのでは? 学会という組織は、会社や大学のような組織とは、少し性質が異なるのではないでしょうか? 部門長のご心配はどの辺にあるのか分かりませんが、節度ある自由な発言と、それに基づく共通関心事項についての切磋琢磨は大事なのではないでしょうか。一つ一つのテーマは、必ずしも永続的なものである必要はないと思います。特に情報交換会などはテーマや関心事がどんどん変わると思われるので、浮沈消長が激しいでしょう。それこそスポンテイニアス・グリッドにふさわしいのではないでしょうか。アイディアの拾い上げとそのフォローがきちんと行われることが必要なのではないでしょうか。 窓口から届けるアイデアというのをテーマに、有期限のブログのようなものを機械学会員向けに設定し、自由に意見を交換できるようにするというのもいいかもしれませんね。 関西支部の懇話会のようなものはどうでしょうか。ただし既存のものは除く。 分科会規模ではなく,23名のミニ研究会規模であればニーズのがあるのではと思います. 活動案ではありませんが,学会の活動扱いになれば,参加(出張)しやすくなるイベントがあるような気がします. オープンソースCAEの活用体制つくり:オープンCAE学会も立ち上がったが、企業ユーザーとしての希望や対策の企画、活動、普及を(大学側メンバーの多い)オープンCAE学会と共同で行い、活用インフラ構築を目指す。 無い。まず、このアイデアを出された方が中心にいくつかの提案をされないと、定義が広すぎて発散するような内容となりかねない。事例が幾つか出てくれば、自ずと参加者が増えていくように思える。ただし、地域的な差があるので、首都圏、関西圏でないと無理か? 学会の委員会は、テーマが決まっているためもあり、どうしてもメンバーが固定される。純粋なサロン的なものがあってもいいように思う。 他の学会(空調衛生工学会、JPEA、等々)と共通テーマをジョイントで会誌掲載、講演会、研修会等やってみてはどうか? 2.「心配な点もなくはないので慎重に考えた方がよい」と回答した方々のコメント 具体的なテーマもなく進めるのには抵抗があります。目的がよくわからないので、ニーズもありません。 なかなか思いつきません。漠然としていますが・・・、「多分野の方を募りチーム編成をし競う。」ロボットコンテストを思い出してしまったのですが、競う内容は研究発表等、いろいろ。回答としてずれた内容かも知れません。 オープンイノベーションの進展に伴う、企業・大学間の研究内容の相互補填関係のあるべき姿を議論する場はあってよいと思う。また、リクルートのような商社がTLOの技術外販を賄うことのメリットと弊害についての議論の場など。 以上 |