部門長あいさつ
 

牧野俊郎

 第82期部門長を仰せつかっております.よろしくお願い申し上げます.
 熱工学は,熱力学・伝熱学・燃焼学などを基盤として,さまざまの新領域に展開しつつあります.本会には熱に関連する部門が他にもありますが,熱工学部門は,この広い熱工学の分野の中でも,とくに熱現象あるいは熱学の基礎に近いあたりに原点を置く研究者・技術者が多く集まるところであると,私は理解しています.より本質的な“工学”のブレイクスルーは現象・基礎に近いあたりから生まれると信じますので,熱工学部門がさらに健全に,学際性をもって成長していくことは,これからの“工学”のために重要なことであると思います.
 つきまして,熱工学部門は,運営委員会の他に12の部門所属委員会を設けて,部門活動の実務に当たっています.これらの委員会の目標は,個別にはさまざまですが,全体として多様な学術・技術情報の交換を促進することにあります.その成果は社会に還元されることが重要です.部門運営のキーは,この情報交換の拠点をより望ましい形のものにしていくことにあります.部門所属委員会には,具体的な施策を立案いただき,順次実施願っています.
 今期には,とりわけ,部門のHPやメールシステムを媒体として,部門の広報機能を充実し,情報をより身近に受信・発信できるように図りたいと思います.また,今期には,学会の論文集,Journalのあり方についての議論が学会レベルで顕在化し,部門は具体的な対応を求められることになります.部門派遣の論文集編集委員会・Journal編集委員会・論文集発行形態検討委員会の委員殿には慎重な対応を願っています.この学術誌の課題は,学会と部門の財政あるいは他の学術誌との棲み分けの問題にも関係して,一筋縄では行かないものです.しかし,私は,部門のHPやメールシステムがもつハブ機能を適切に設計することによって,ソフトベースで克服できる部分は少なくないと考えています.
 基本に戻って,熱工学部門は,機械工学・熱工学のメンバーのためにあるものです.皆さまのご意見・ご提案とご支援・ご貢献をお願い申し上げます.