日本機械学会 熱工学部門 ニュースレター
TED Newsletter No.31 July 2000

目次

(1) 第78期部門長からのメッセージ

(2) ニュースレターの発行形態の変更について

(3) 部門企画行事一覧(2000年〜2001年)

(4) 部門賞・部門一般表彰候補者募集の案内

(5) 国際会議の案内と報告(熱工学部門主催,共催分)

(6) 熱工学部門研究分科会

(7) 国際会議案内

(8) トゥーロキアン教授の思い出(長島昭 慶應義塾大学: Y. S. Touloukian Awardを受賞して)

(9) 熱工学部門第78期委員会(委員長/幹事)

(10) 第78期広報委員会ニュースレター担当

◆ ニュースレターへのご意見,ご要望は日本機械学会熱工学部門広報委員会までお寄せ下さい.

第78期広報委員会
委員長:平井秀一郎(東工大)、幹事:池田裕二(神戸大)
委 員:丸田薫(秋田県立大)、河原伸幸(岡山大)、渡辺重哉(NAL)、佐藤洋平(機械研)、古谷博秀(機械研)、桑原一成(三菱自工)、本間理陽司(東ガス)、花村克悟(岐阜大)、長坂雄次(慶應大)
   



日本機械学会 熱工学部門 ニュースレター




(1)第78期部門長からのメッセージ



長野 靖尚

第78期熱工学部門長

名古屋工業大学 教授
(都市循環システム工学専攻/生産システム工学専攻)


 日本機械学会は,今大きな変革を迎えています.当然部門運営にも直接影響してきます.活動資金は,部門交付金を本年度から段階的に変えていき,2002年度(または2003年度)以降は,支部交付金と同じ総額6000万円になる予定です.これを各部門にどのように配分するかは,部門協議会内のワーキンググループで試案作成中ですが,「基本額+登録会員数比例分+部門活性度比例分」に近いものになると思います.基本額は部門共通で50万円程度と考えられていますが,問題は上記の後半の2項目です.世帯が大きいほど必要経費も増える為に,会員数比例分は当然の項目と思います.しかし,部門活性度は登録会員数と共にリニアには増加しません.会員の皆様の,アクティビティに強く依存します.例えば,講演会,講習会,ワークショップ,国際会議など全てが活性度評価の対象になります.些細なことを申せば,年次大会企画OSでは,発表件数×1点の評価点,論文集で特集号を企画すれば掲載論文数×5点の評価点を与えるといった調子です.社会全体が自己評価・自己点検だけでなく,外部評価を重視する時代ですから,部門の活性度評価はますます強まると思います.熱工学部門は,これまで最大部門の一つとして見なされていました.ワーキンググループでは,登録会員数は当該年度直前の1月末での当該部門に対する第1位,第2位及び第3位登録会員数の合計とする方向で検討されているようです.そうすると,熱工学部門は,第3位になります.1位は流体工学部門の独走です.2位は機械力学・計測制御部門です.ここに一つ看過できない問題が内在しています.流体プロパーの部門は流体工学部門のみですが,熱に関する部門は,熱工学部門に加えてエンジンシステムと動力エネルギーシステムがあります.今検討されている学会の改革は,部門に多くの負担を求めているように思えます.運営経費のことを考えると,本部から独立して部門独自で運営するという方向に向くような気がしてなりません.下手をすると,熱に関する分野だけでも,機械学会内に複数の実質的なミニ学会を作る方向に行ってしまいそうです.

 今,大学にはこれまでにない過酷な変革が求められています.企業ではリストラが進み,世界規模での大型の再編成が進んでいますが,大学でも同様なことを求められるのは不可避のように見えます.日本の学会の在り方も再考する時期に来ていると思います.とにかく学会が多過ぎます.流体工学と熱工学を見ても,機械学会,化学工学会,航空宇宙学会,流体力学会,数値流体力学会,伝熱学会,冷凍空調学会,空気調和・衛生工学会,熱物性学会,燃焼学会,混相流学会など,非常に多くの学会が関与しています.そして,それぞれの学会が「輝く個性」を求めています.しかし,狭い日本で人材を求めるのですから,当然,同一人物が複数の学会で類似の仕事をすることになることが多々あります.何と効率の悪いことか!ある年齢以上の大学の教授は,重複する学会の仕事に追われ,本来の仕事である創造的な研究活動すら制約されています.「輝く個性」を強調し過ぎると,島国の日本では,何をとっても「個性化」→「セクショナリズム」となることが危惧されてなりません.大学も学会も,もっと融合を目指すべきだと思われます.企業同様,国際的競争力を高めるにはマスの大きさとポテンシャルの高さが求められます.機械学会内でも,せめてそのような模範を示すべきだと思います.エンジンシステムと動力エネルギーシステムが熱工学と分離することにどれだけのメリットがあるのでしょうか.もっと過激な,熱工学と流体工学の両部門の合併を考えたとしても,狭い日本ではあながち滅茶苦茶なこととは思えません.実際,ヨーロッパでは,熱・流体工学はERCOFTAC (The European Research Community on Flow, Turbulence and Combustion) の下で強力に連携しています.大学でも,例えば,イギリスのImperial CollegeのFluids Sectionで現在行われている主流の研究は,燃焼に関するものです.アメリカも同様で,スタンフォード大学の流体研究は,Thermosciences Divisionで行われています.日本には過去の歴史があり,流体と熱の分野は分かれていますが,この弊害は我が国の教育に現実に現れています.流体の先生は,ベルヌーイの定理を丁寧に教えていられます.しかし,これが熱力学の第一法則(エネルギー保存則)として重要な流動系のエネルギー式において,熱の出入りと外部仕事がなく,且つ等温流の場合の限られたケースに相当することに言及される先生は少ないように思います.いずれにしても,上述の様な大改革を実現するには,30,40才代の方々の突き上げを必要とします.

 部門の改廃を積極的に進めようとまでは申しません.しかし,最近になってそれを煽るような厄介なことを文部省から言われています.「公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針」で公益法人の内部留保枠は一事業年度における総事業費(事業費、管理費、事業に不可欠な固定資産取得費の合計)の30%以下にするよう規定していますが,これを必ず実行せよとのお達しです.平たく言えば,部門における繰越金は単年度事業費(運営費)の30%以内でなければ駄目と言うことです.しかし,現実問題として,部門が国際会議など特定の事業計画を実施するには準備金の積立てが必要です.機械学会もそれを考慮して,「部門特定事業資金」なる規定を制定し,国際会議などの準備金はこれに組み入れ,繰越金が事業費の30%以内で運営するよう指示をしようとしています.今期の熱工学部門は,「第4回日韓熱工学会議」と「第3回スケールモデリング国際会議」の二つの国際会議を主催します.しかし,この事業費が上記の計算に勘案されていないため,部門としての繰越金は30%を大きく超えたものになっています.現実には,熱工学部門の台所は結構厳しく,ニュースレターの発刊に工夫を施したり,講習会を開いたりして財政基盤強化に歴代の運営委員の方々はご努力されてきました.このような努力は今後も必要です.しかし,公益法人としての学会の使命は,各専門分野の学術的な活動力とそれから生まれる社会への影響力にあります.ここでも,構成母体のマスの大きさが求められます.小さい世界での仲良しグループでは,公益法人としての社会的使命を果たすには荷が勝ち過ぎています.熱工学部門は,講演論文集のCD-ROM化,ニュースレターのホームページ掲載,インターネットによるデータベースの全世界への公開など正にIT革命を他部門に先んじて行ってきました.今期より,副部門長が広報委員会を総括し,ニュースレター担当委員長と電子情報担当委員長をおくよう組織替えをしたのも,この路線に乗ってのことです.次は,他部門を震撼させるような大改革を真剣に考えたらいかがでしょうか.会員の皆様の,忌憚のないご意見を是非お聞かせ下さい.




(2)ニュースレターの発行形態の変更について


平成12年度の3号(第31号,第32号,第33号)の熱工学部門のニュースレターは,すべてホームページ掲載の形で発行いたします.このような試みを行うに到った理由については,長野部門長のメッセージに述べられている通りであります.会員各位のご理解とご協力をお願い致します.学会にEメールアドレスを登録されておられる熱工学部門登録会員の方には新たにニュースレターがホームページに掲載になる都度メールにてご案内いたします.Eメールアドレス未登録の方はぜひご登録ください.また,熱工学部門登録会員でホームページを見ることが困難な方は,下記平成12年度広報委員会ニュースレター担当委員長までご連絡ください.ハードコピーを郵送いたします.

広報委員会ニュースレター担当委員長 平井秀一郎

〒152-8552
東京都目黒区大岡山2-12-1
東京工業大学炭素循環素材研究センター
平井秀一郎
(郵送用の90円切手を同封の上,お申し込みください)




(3)部門企画行事一覧(2000年〜2001年)


【部門企画行事一覧(2000年〜2001年)】
−2000年−
〔年次大会〕
第78期年次大会
(委員長)山下博史(名大教授)
(開催日)2000年8月2日(水)〜4日(金)
(会場)名城大学
(ウェブサイト)
http://www.jsme.or.jp/2000am/

部門同好会及び平成11年度部門賞贈賞式
(開催日時)2000年8月2日(水)18:00〜
(会場)名城大学

〔国際会議〕
第3回スケールモデリング国際会議 (共催)
(代表)竹野忠夫(名大教授)
(開催日)2000年9月10日(日)〜13日(水)
(会場)東京第一ホテル錦(名古屋市)

JSME-KSME熱工学合同会議(熱工学講演会を兼ねる)(主催)
(委員長)中島 健(神戸大教授)
(開催日)2000年10月1日(日)〜6日(金)
(会場)神戸国際会議場

−2001年−
第79期年次大会
(委員長)竹内正紀(福井大教授)
(開催日)2001年8月27日(月)〜30日(木)(27日は見学会の予定)
(会場)福井大学,福井工業大学




(4)部門賞・部門一般表彰候補者募集の案内


部門賞・部門一般表彰候補者募集のご案内

部門賞委員会 委員長 香月正司, 幹事 西野耕一


 前期より部門賞および部門一般表彰の候補者推薦を部門登録会員の皆様からも募集することとなりました.下記の要領にて奮ってご応募下さい.なお,この募集案内,表彰規定,これまでの受賞者一覧が部門ホームページ(
http://www.jsme.or.jp/ted/)に掲載されています.各章の詳細につきましてはホームページをご覧いただくか,下記あてにお問い合わせ下さい.


1.部門賞および部門一般表彰の種類
(1)部門賞:
功績賞(永年功績賞,国際功績賞,研究功績賞/技術功績賞)
業績賞

(2)一般表彰:
貢献表彰
講演論文表彰
※講演論文表彰は今回の推薦対象外です.

2.受賞候補の資格
 候補者(グループの場合は筆頭者)は原則として日本機械学会会員とする.ただし,国際功績賞についてはこの限りではない.

3.応募要領
 A4サイズの用紙に(1)応募対象(部門賞・一般表彰の種類)(2)受賞候補者の氏名と所属(3)推薦理由(できるだけ詳しく具体的にお書き下さい)(4)推薦者の氏名,所属,連絡先 をご記入の上,次の送付先に郵送して下さい.

4.送付先
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1
大阪大学大学院工学研究科
機械物理工学専攻
香月正司 教授

5.応募〆切
2000年9月14日(木)

6.問い合わせ先
部門賞委員会 委員長 香月正司(katsuki@mech.eng.osaka-u.ac.jp)
TEL 06-6879-7252, FAX 06-6879-7254

幹事 西野耕一(ted@tori.me.ynu.ac.jp)
TEL 045-339-3900, FAX 045-339-3900




(5)国際会議の案内と報告(熱工学部門主催,共催分)


1.第3回スケールモデリング国際会議
Third Intenational Symposium on Scale Modeling (ISSM3)

(主催)日本機械学会熱工学部門
(開催日)平成12年9月10日(日)-13日(水)
(会場)東京第一ホテル錦(名古屋市)
(内容)燃焼を中心とした一般講演並びに招待講演

Plenary Lecture:
Significance of Scale Modeling in Engineering Science
F. A. Williams (UCSD)

Keynote Lectures:
Modeling of Obstructed Explosions
Ken Bray (Cambridge)

Significance of Scales in Turbulent Combustion Modeling
Rolland Borghi (Ecole Superieurede Mecanique Marseille)

Modeling of Large Scale Fires
Howard Baum (NIST)

Integral Method in Flame Theory
C. K. Law (Princeton)

Significance of Scale Laws in Production Engineering
Someone from Toyota

間合せ先 竹野忠夫
名古屋大学大学院工学研究科機械情報システム工学専攻
〒464-0814名古屋市千種区不老町
Tel: 052-789-3108, Fax: 052-781-9243
takeno@everest.mech.nagoya-u.ac.jp
ホームページアドレス:
http://www.eess.mech.nagoya-u.ac.jp/issm3.html

2.第4回日韓熱工学会議
Fourth JSME-KSME Thermal Engineering Conference

(主催)日本機械学会 熱工学部門/大韓機械学会 熱流体工学部門
(開催日)2000年(平成12年)10月1日(日)−6日(金)
10月1日(日):レセプション、レジストレーション
10月5日(木)、6日(金):テクニカルツアー

(会場)神戸国際会議場 (神戸市中央区港島中町6丁目9-1、TEL078-302-5200)
(開催趣旨)
 日韓両国の熱工学に関する専門家間の親睦をはかり、この分野における研究と技術の向上を目的として、以下のように過去3回の開催を行っています。前回のキョンジュでの会議では約500人の参加がありました。なお、日本機械学会熱工学部門で毎年秋に開催しております熱工学講演会は、平成12年度は本会議が兼ねることになります。
(開催経過)第1回1988年 ソウル、第2回1992年 北九州市、第3回1996年 キョンジュ
(講演募集分野)「熱工学に関する全分野及び熱工学に関連する流体工学」において、以下のようなオーガナイズドセッションを設け、現在400件を越す講演申込を受け付けています。

オーガナイズドセッション
Combustion /Radiation /Environment, Engine, Numerical method, Phase change, Turbulence, Power generation /Nuclear power, refrigeration /Heat pump /Heat pipe, Multiphase flow, Fluid machinery, Micro scale Phenomena /Thermophysical properties, Visualization /Measurement, Natural convection, Micro-gravity, Electronic cooling, General

日本側オーガナイザー
石塚 勝(富山県立大学) 、伊藤 献一(北海道大学) 、小澤 守(関西大学)、尾添 紘之(九州大学)、小尾 晋之介(慶応義塾大学) 、梶島 岳夫(大阪大学) 、勝田 正文(早稲田大学) 、庄司 正弘(東京大学)、高城 敏美(大阪大学)、武石 賢一郎(三菱重工業) 、長坂 雄次(慶應義塾大学)、西野 耕一(横浜国立大学)、藤本 元(同志社大学)、松本 洋一郎(東京大学)、三島 嘉一郎(京都大学原子炉実験所)

韓国側オーガナイザー
Choongsik BAE(KAIST), Joon Hong BOO(Hankuk Aviation Univ.), Ki-Hong BYUN(Dongguk Univ.), Haecheon CHOI(Seoul Natl. Univ.) , Nahmkeon HUR(Sogang Univ.), Young-Kyu HWANG(Sungkyunkwan Univ.), Sangkwon JEONG(KAIST), Won-Gu JOO(Yonsei Univ.), Byong Joo KIM(Honjik Univ.), Min Soo KIM(Seoul Natl. Univ.), Moo Hwan KIM(POSTECH), Sung Jin KIM(KAIST), Sang Yong LEE(KAIST), Young-Ho LEE(Korea Marine Univ.), Suk Ku SIM(KAERI)

(使用言語)  英語
(登録料)
一般(事前申込30.000円、会場申込35.000円)
学生(事前申込10.000円、会場申込12.000円)
レセプション、論文集を含む

(バンケット)
事前申込10.000円、会場申込12.000円
10月3日、明石海峡周遊クルージング・ディナーを予定

(チュートリアルセッション) 会期中3日間午後2件づつ6件の講義を予定
チュートリアルセッションのみの講習会受講料は会議登録料と同額です。
会議登録者は無料で受講できます。

(テクニカルツアー)   定員 40名、参加費 18.000円
10月5,6日、1泊でバスによる見学会、参加費は、一泊夕食・朝食代を含む

(学生プログラム)  セミナーハウス(1泊3.500-4.000円)に宿泊し、 レセプション、バンケット、見学会を予定

(事前申込方法)
ホームページから申込ができます。申込を頂きますと申込番号がメールで返送されますので、以下の方法で番号を記入の上、入金してください。

郵便振替
口座番号 00950-8-9829
口座名 第4回日韓熱工学会議
通信欄に登録番号と申込者の氏名を書いてください。

銀行振込
さくら銀行六甲支店
店番号 309 口座番号 4015956
口座名 日韓熱工学会議

登録番号と申込者の姓・所属を例のように入力してください。(例 No.123 ナカジマ コウベダイ)
事前申込締切 平成12年8月31日

詳細はホームページをご覧ください。

問合先  神戸大学工学部機械工学科 中島 健
TEL 078-803-6113, FAX 078-845-2736
e-mail jktec@mech.kobe-u.ac.jp

下記ホームページを開設しております。論文要旨申し込はホームページで行えるよう準備中です。
http://www.mech.kobe-u.acjp/jktec/home.html




(6)熱工学部門研究分科会


【熱工学部門所属 分科会・研究会】
〔部門所属研究分科会〕
なし

〔部門所属研究会〕
A-TS06-15「熱・エネルギーシステムのエクセルギー評価研究会」
設置期間:1997.9〜2001.3
主査:高城敏美(大阪大学)TEL:06-6879-7311

A-TS06-16「熱・流体工学におけるウェーブレット・逆問題に関する研究会」
設置期間:1998.6〜2003.5
主査:片岡 勲(大阪大学)TEL:06-6879-7256



(7)国際会議案内


● Second International Symposium on Turbulence and Shear Flow Phenomena (TSFP-2)
期日: June 27-29, 2001
場所: Stockholm, Sweden
問い合わせ先:笠木 伸英(東大)
web site:
http://www.print.kth.se/tsfp/sympos.htm

● 5th World Conference on Experimental Heat Transfer, Fluid Mechanics and Thermodynamics(ExHFT-5)
期日: September 24-28, 2001
場所: Thessaloniki, Greece
問い合わせ先:笠木 伸英(東大)
web site:
http://www.ing.unipi.it/exhft5

● Lean Combustion Technology and its Control
期日: November 5-10, 2000
場所: Santa Fe, New Mexico, USA
問い合わせ先:香月 正司(大阪大学)
web site:
http://www.engfnd.org/0ai.html

● 第3回スケールモデリング国際会議
Third International Symposium on Scale Modeling (ISSM3)
期日: 平成12年9月10日(日)〜13日(水)
場所: 東京第一ホテル錦(名古屋市)
問い合わせ先:竹野忠夫
web site:
http://www.jsme.or.jp/ted/issm-j.html

● 9th (Millennium) International Symposium on Flow Visualization
期日: August, 22-25, 2000
場所: Edinburgh, Scotland, UK
問い合わせ先:Professor Ian Grant,
Chairman 9th Millenium Symposium on Flow Visualization
Optik Universal Ltd,Suite 6 ,44/46 Morningside Road,Edinburgh EH10 4BF, Scotland, United Kingdom.
Tel: +(44) 131 447 8660, Fax: +(44) 870 052 5409
web site:
http://www.ode-web.demon.co.uk/9misfv




(8)トゥーロキアン教授の思い出(長島昭 慶應義塾大学: Y. S. Touloukian Awardを受賞して)



長島 昭

慶應義塾大学 教授

(システム・デザイン工学科)


今から20年近く前の1981年6月、私はPurdue大学の有名な物性値情報センターCINDASを訪問した。シカゴから小型機でパデュー大学空港へ着くと、Touloukian先生ご自身の出迎えを受けた。それから2日間にわたり、熱物性研究や、熱物性分野の国際的な諸活動について、意見交換し、多くのご教示を受けることができた。当時、私は42歳で、60代はじめで活力に満ちた先生が、超多忙な時間を割いて心のこもった応対をして下さったのには恐縮した。もちろん私は先生には何度かお会いしていたが、これほど集中的に話をできたのは初めてであった。

さて2日目の晩のことであるが、Touloukian先生ご夫妻の招きで夕食をごちそうになった。食事も進み、先生はとても好いご機嫌でワインを何杯もおかわりされた。先生がさらにボトルをとりあげ、ご自身のグラスに注ごうとされると、夫人が手を伸ばしてグラスにふたをし、何か小声でささやかれた。Touloukian先生は心臓が悪く、それまでに2回の大手術を受けていたことは私も知っていた。先生はしばし沈黙し、何か考える様子であったが、やおらボトルをとりあげて自分のグラスを満たし、目よりも高く掲げてこう言われた。「この液体なしでは、人生は無意味だよ。」卓上のロウソクの光に、赤いワインがきらめいていたのが今も眼前に浮かぶ。そして先生はそのグラスを一気に飲み干された。

その翌朝、私は空港から、そして先生ご夫妻は車で、それぞれワシントンへと出発した。その2日後に始まる米国熱物性会議に2人とも出席する予定になっていたからである。私がシカゴで1日過ごしてから、ワシントンのホテルに到着すると、ショッキングなニュースを聞かされた。Touloukian先生が、丸1日のドライヴの後、ワシントン到着後に急逝されたとのことであった。心臓麻痺とのことであった。私は19年経った今も、その日の衝撃を忘れることができない。

Yeram S. Touloukian教授はアルメニア生まれの米国人である。第2次大戦後に、産業技術や科学の基礎としての熱物性データ情報の重要性を訴えて、さまざまな活動を推進した。その代表的なものは、熱物性研究センターTPRCやCINDASの創設と運営、世界に知られる検索書Retrieval Guideや多数のデータブックの編纂、米国熱物性会議の創設と第1回開催委員長、国際学術誌International Journal of Thermophysical Properties の創刊、特別なコンセプトに基づく学術誌Journal of Physical and Chemical Reference Data 創刊への協力、など枚挙にいとまがない。特にCINDASは、世界で初めて熱物性データの収集、評価、普及、コンサルティングを目的とした大規模なセンターで、米国の宇宙開発、エネルギー、国防、エレクトロニクス、新材料開発等々の技術革新に絶大な貢献をした。一時は所員も70余名を数えた。データブック等は今も世界中で最も広く利用されている。

トゥーロキアン賞は、米国機械学会ASMEが、同教授が世界の熱物性研究をリードし、科学技術や産業の基盤としての熱物性データの普及に貢献したことを顕彰して1991年に設けた賞である。3年ごとに1回、世界から1ないし2名に授与される。熱物性分野では世界で最も注目される賞となっている。今年の受賞者は1名であった。

今回、図らずも、思い出深いTouloukian先生の名を冠した賞を受賞して、身に余る光栄と感じている。授賞理由には、熱物性に関する研究業績のほかに、熱物性分野の国際・国内活動への寄与を挙げて頂いたが、これらはいずれも多くの方々のご協力なくしては行えなかったことである。日本と各国の熱物性の先達や同志の方々、ならびに私のこれまでの共同研究者の方々に心からの感謝を捧げたい。



(9)熱工学部門第78期委員会(委員長/幹事)



熱工学部門運営委員会名簿

役名

勤務先名

所属 1

所属 2

役職

E-MAIL

部門長

長野

靖尚

名古屋工業大学

大学院工学研究科

都市循環システム工学専攻

教授

nagano@heat.mech.nitech.ac.jp

副部門長

香月

正司

大阪大学

大学院工学研究科

機械物理工学専攻

教授

katsuki@mech.eng.osaka-u.ac.jp

幹事

西野

耕一

横浜国立大学

大学院工学研究科

人工環境システム学専攻

助教授

nish@tori.me.ynu.ac.jp

委員

石塚

富山県立大学

工学部

機械システム工学科

助教授

ishizuka@pu-toyama.ac.jp

委員

石黒

筑波大学

機能工学系

助教授

ishiguro@kz.tsukuba.ac.jp

委員

伊藤

正昭

(株)日立製作所

機械研究所

第5部PA研究室

主任研究員

itoh@merl.hitachi.co.jp

委員

大串

哲朗

三菱電機(株)

先端技術総合研究所

機械システム技術部

主席研究員

ogushi@mec.crl.melco.co.jp

委員

大澤

克幸

(株)豊田中央研究所

機械1部

燃焼・流体研究室

室長

e0417@mosk.tytlabs.co.jp

委員

小川

益郎

日本原子力研究所

大洗研究所核熱利用研究部

高温機器開発試験室

次長兼室長

ogawa@spa.oarai.jaeri.go.jp

委員

片岡

大阪大学

大学院工学研究科

機械物理工学専攻

教授

kataoka@mech.eng.osaka-u.ac.jp

委員

門谷

皖一

(株)小松製作所

研究本部

中央研究所

首席技監

kanichi_kadotani@komatsu.co.jp

委員

上宇都

幸一

大分大学

工学部

生産システム工学科

教授

kamiuto@cc.oita-u.ac.jp

委員

北村

健三

豊橋技術科学大学

工学部

機械システム工学系

助教授

kitamura@mech.tut.ac.jp

委員

熊田

雅弥

岐阜大学

工学部

機械システム工学科

教授

kumada@cc.gifu-u.ac.jp

委員

小山

九州大学

機能物質科学研究所

システム工学部門

教授

koyama@cm.kyushu-u.ac.jp

委員

佐藤

春樹

慶應義塾大学

理工学部

システムデザイン工学科

教授

hsato@sd.keio.ac.jp

委員

塩路

昌宏

京都大学

大学院エネルギー科学研究科

エネルギー変換科学専攻

教授

shioji@energy.kyoto-u.ac.jp

委員

鈴木

康一

東京理科大学

理工学部

機械工学科

助教授

suzuki@rs.noda.sut.ac.jp

委員

鈴木

雄二

東京大学

大学院工学系研究科

機械工学専攻

助教授

ysuzuki@thtlab.t.u-tokyo.ac.jp

委員

高田

保之

九州大学

大学院工学研究院

機械科学部門

助教授

takata@mech.kyushu-u.ac.jp

委員

武石

賢一郎

三菱重工業(株)

高砂研究所

燃焼伝熱研究室

主席研究員

takeishi@wl.trdc.mhi.co.jp

委員

近久

武美

北海道大学

大学院工学研究科

機械科学専攻

助教授

takemi@eng.hokudai.ac.jp

委員

俊博

名古屋工業大学

工学部

機械工学科

教授

tsuji@heat.mech.nitech.ac.jp

委員

長崎

孝夫

東京工業大学

大学院総合理工学研究科

創造エネルギー専攻

助教授

tnagasak@es.titech.ac.jp

委員

野邑

奉弘

大阪市立大学

工学部

機械工学科

教授

nomura@mech.eng.osaka-cu.ac.jp

委員

平井

秀一郎

東京工業大学

炭素循環素材研究センター

炭素資源化研究分野

教授

hirai@mes.titech.ac.jp

委員

平田

哲夫

信州大学

工学部

機械システム工学科

教授

th5478e@gipwc.shinshu-u.ac.jp

委員

福嶋

信一郎

日本鋼管(株)

本社鉄鋼技術センター

環境エネルギー部

エネルギー主席(部長)

Shinichiro_Fukushima@ntsgw.tokyo.nkk.co.jp

委員

堀部

明彦

岡山大学

大学院自然科学研究科

エネルギー転換科学専攻

助教授

horibe@mech.okayama-u.ac.jp

委員

升谷

五郎

東北大学

大学院工学研究科

航空宇宙工学専攻

教授

masuya@cc.mech.tohoku.ac.jp

委員

丸山

茂夫

東京大学

総合試験所

助教授

maruyama@photon.t.u-tokyo.ac.jp

委員

村上

幸一

愛媛大学

工学部

機械工学科

助教授

kmura@en1.ehime-u.ac.jp

委員

山田

山梨大学

工学部

機械システム工学科

助教授

jyamada@ccn.yamanashi.ac.jp


熱工学部門各種委員会委員長&幹事名簿

委員会名

役名

勤務先名

所属 1

所属 2

役職

E-MAIL

運営委員会

部門長

長野

靖尚

名古屋工業大学

大学院工学研究科

都市循環システム工学専攻

教授

nagano@heat.mech.nitech.ac.jp

運営委員会

幹事

西野

耕一

横浜国立大学

大学院工学研究科

人工環境システム学専攻

助教授

nish@tori.me.ynu.ac.jp

総務委員会

委員長

長野

靖尚

名古屋工業大学

大学院工学研究科

都市循環システム工学専攻

教授

nagano@heat.mech.nitech.ac.jp

総務委員会

幹事

長崎

孝夫

東京工業大学

大学院総合理工学研究科

創造エネルギー専攻

助教授

tnagasak@es.titech.ac.jp

年次大会委員会

委員長

竹内

正紀

福井大学

工学部

機械工学科

教授

takeuchi@mech.fukui-u.ac.jp

年次大会委員会

幹事

太田

淳一

福井大学

工学部

機械工学科

助教授

ohta@fv.mech.fukui-u.ac.jp

熱工学講演会

委員長

稲葉

英男

岡山大学

大学院自然科学研究科

エネルギー転換科学専攻

教授

inaba@mech.okayama-u.ac.jp

熱工学講演会

幹事

堀部

明彦

岡山大学

大学院自然科学研究科

エネルギー転換科学専攻

助教授

horibe@mech.okayama-u.ac.jp

学会賞委員会

委員長

本田

博司

九州大学

機能物質科学研究所

システム工学部門

教授

hhonda@cm.kyushu-u.ac.jp

学会賞委員会

幹事

円山

重直

東北大学

流体科学研究所

極限流研究部門

教授

maruyama@ifs.tohoku.ac.jp

講習会委員会

委員長

俊博

名古屋工業大学

工学部

機械工学科

教授

tsuji@heat.mech.nitech.ac.jp

講習会委員会

幹事

濱田

幸弘

名古屋市工業研究所

電子情報部

制御技術研究室

室長

hamada@nmiri.city.nagoya.jp

JSME-KSME合同会議委員会

委員長

中島

神戸大学

工学部

機械工学科

教授

nakajima@mech.kobe-u.ac.jp

JSME-KSME合同会議委員会

幹事

竹中

信幸

神戸大学

工学部

機械工学科

助教授

takenaka@mech.kobe-u.ac.jp

部門賞委員会

委員長

香月

正司

大阪大学

大学院工学研究科

機械物理工学専攻

教授

katsuki@mech.eng.osaka-u.ac.jp

部門賞委員会

幹事

西野

耕一

横浜国立大学

大学院工学研究科

人工環境システム学専攻

助教授

nish@tori.me.ynu.ac.jp

年鑑委員会

委員長

工藤

一彦

北海道大学

大学院工学研究科

機械科学専攻

教授

kudok@eng.hokudai.ac.jp

年鑑委員会

幹事

黒田

明慈

北海道大学

大学院工学研究科

機械科学専攻

助教授

kuroda@eng.hokudai.ac.jp

出版委員会

委員長

円山

重直

東北大学

流体科学研究所

極限流研究部門

教授

maruyama@ifs.tohoku.ac.jp

出版委員会

幹事

花村

克悟

岐阜大学

工学部

機械システム工学科

助教授

hanamura@cc.gifu-u.ac.jp

ASME-JSME合同会議委員会

委員長

西尾

茂文

東京大学

生産技術研究所

第2部

教授・副所長

nishios@iis.u-tokyo.ac.jp

ASME-JSME合同会議委員会

幹事

佐藤

東京工業大学

大学院理工学研究科

機械制御システム専攻

助教授

satohi@mep.titech.ac.jp

広報委員会総括

委員長

香月

正司

大阪大学

大学院工学研究科

機械物理工学専攻

教授

katsuki@mech.eng.osaka-u.ac.jp

広報委員会ニュースレター担当

委員長

平井

秀一郎

東京工業大学

炭素循環素材研究センター

炭素資源化研究分野

教授

hirai@mes.titech.ac.jp

広報委員会ニュースレター担当

幹事

池田

裕二

神戸大学

機器分析センター

助教授

ikeda@mech.kobe-u.ac.jp

広報委員会電子情報担当

委員長

高田

保之

九州大学

大学院工学研究院

機械科学部門

助教授

takata@mech.kyushu-u.ac.jp

広報委員会電子情報担当

幹事

三松

順治

岐阜大学

工学部

機械システム工学科

助教授

mimatsu@mech.gufu-u.ac.jp

Journal委員会

委員長

牧野

俊郎

京都大学

大学院工学研究科

機械物理工学専攻

教授

a50141@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp

Journal委員会

幹事

吉田

英生

京都大学

大学院工学研究科

機械工学専攻

教授

yoshida@mech.kyoto-u.ac.jp





(10)第78期広報委員会ニュースレター担当



委員長:平井秀一郎(東工大)、幹事:池田裕二(神戸大)
委 員:丸田薫(秋田県立大)、河原伸幸(岡山大)、渡辺重哉(NAL)、佐藤洋平(機械研)、古谷博秀(機械研)、桑原一成(三菱自工)、本間理陽司(東ガス)、花村克悟(岐阜大)、長坂雄次(慶應大)


           


アクセス数=  (since Aug. 8, 2000)