「理科離れ」もしくは「理系離れ」という言葉がマスメディアから報道されるようになり久しく経ちます。かくいう編集担当委員も30代ですが、当時理工系の大学に進学を希望した学生数は、減少傾向にあったことを記憶しております。そのような中で、67号のTED Plazaでは、編集担当委員と同年代の若手研究者の研究、その中でも特に、委員の共通分野であるマイクロ熱流体工学に関する研究例を紹介させて頂きました。基盤技術となる微小空間の熱流動計測技術開発の観点から東京大学の嘉副先生に、マイクロ伝熱現象の手術用冷却機器への応用例から東北大学の岡島先生に、また東京大学の森本先生および鈴木先生からは解析的アプローチによるマイクロ熱機器の最適設計に関しましてご寄稿頂きました。近年では、マイクロ熱流体工学も基礎研究から応用研究まで幅広い分野を網羅するまでに進展してきました。しかしながら、工業分野への応用を見据えますと、安全性や信頼性など解決すべき問題も多々残されており、我々若手研究者も問題解決への一役を担えるよう、これまで以上の尽力が必要だと思う所存です。
　最後に、お忙しい中にも関わらず、今回のTED Plazaへのご執筆を快くお引受け下さいました諸先生方に厚く御礼申し上げます。

●第90期広報委員会

委員長：	中別府 修　　 　 （明治大学）
幹 事：	志村 祐康　　 （東京工業大学）
委 員：	浅岡 龍徳　　 （青山学院大学）
	一柳 満久　　 （上智大学）
	金田 昌之　　   （大阪府立大学）
	瀬尾 健彦　　 （山口大学）
	巽 和也　　 （京都大学）
	林 潤　　 （大阪大学）
	元祐 昌廣　　 （東京理科大学）

著作権：2012 一般社団法人 日本機械学会 熱工学部門