g="JA">
2011年度年次大会熱工学部門報告

第88期熱工学部門年次大会実行委員会
委員長 長崎 孝夫(東京工業大学)

 日本機械学会2011年度年次大会が9月11日(日)〜14日(水)に亘り,東京工業大学で開催されました。本年3月の震災後,電力供給不足への対応が大会実行委員会で検討され,電力需要が高まる時間帯を避ける形での開催がアナウンスされたのが4月中頃のことでした。会期4日間のうち第1日目には市民開放行事が行われ,その中で東日本大震災特別企画が実施されました。第2日目以降,上述の理由から学術講演を午前中の8時45分から11時15分の間に行い,ワークショップ等の企画行事は15時以降に行うという形で開催されました。その他,今回の年次大会の特徴として,従来分冊であった講演論文集および資料集が1枚のDVD-ROMとして発行されました。
 熱工学部門一般セッションでは,伝熱,燃焼,ほか各種熱現象・熱機器,プラズマ・放電に関し,11のセッションで計37件の発表が行われました。また部門横断オーガナイズドセッションとして,「バイオにおける流れと熱・物質移動」(バイオエンジニアリング部門・流体工学部門・熱工学部門,セッション数:5,講演数:19),「電子情報機器,電子デバイスの強度・信頼性評価と熱制御」(材料力学部門・計算力学部門・熱工学部門,セッション数:5,講演数:17),「マイクロ・ナノスケールの熱流体現象」(流体工学部門・熱工学部門,セッション数:7,講演数:29),「乱流における運動量,熱,物質の輸送現象」(流体工学部門・熱工学部門,セッション数:6,講演数:25),「燃料電池」(動力エネルギーシステム部門・熱工学部門・流体工学部門・材料力学部門,セッション数:5,講演数:21)の5セッションで計111件の発表がありました。以上のように例年と同程度の数の学術講演がありましたが,今年は学術講演を午前中に集中して行ったため,当部門関係セッションが7部屋並列となることもありました。このためご関心のあるセッションの時間帯が重なって参加できなかった方,午後の空き時間の過ごし方でお困りになった方もおられたかと思いますが,どうぞ御容赦下さい。限られた時間帯と部屋数に全講演を納めるため,全体プログラム担当の先生もずいぶんご苦労されたとのことでした。
 部門同好会は流体工学部門,動力エネルギーシステム部門との合同で,9月12日(月)の19:30から目黒雅叙園にて開催されました。今回は学内での同好会実施を見合わせたため電車で移動していただくこととなり,関係部門の午後の行事終了に合わせて遅い時刻の開始となりましたが,3部門合わせて50余名(当部門からは15名)の方にご参加いただきました。部門間でお知り合いも多く,各部門長(当部門は部門長海外ご出張中のため副部門長)の先生よりご挨拶をいただき,たいへん盛会となりました。
 常々言われますように熱工学コンファレンスおよび関連他学会の講演会(伝熱シンポジウム,燃焼シンポジウム,熱物性シンポジウムなど)に対し年次大会は機械学会の全部門が一堂に会するのが特徴であり,部門横断セッションは年次大会ならではの意義があります。また部門単独セッションにつきましても,より広い層の方々に研究内容を知っていただく機会になると考えられます。今回ご尽力いただいたオーガナイザーの皆様,貴重な研究成果を御発表いただいた講演者の皆様,ならびに種々の御協力を賜りました座長の皆様に心より御礼申し上げる次第です。来年の金沢での年次大会と部門同好会には,さらに多くの皆様のご参加を賜り,研究交流と親睦を深めていただけますよう祈念いたします。