2010年の日本の科学技術の分野における印象的なできごととして，小惑星探査機・はやぶさの帰還，そして，鈴木章氏，根岸英一氏のノーベル化学賞の受賞が思い浮かびます．学術的な面だけに留まらず，物理的にも（あるいは実生活においても）未知なる領域へ踏み出し世界を広げる，ということが重要であると改めて考えさせられました．

　今号のTED PLazaでは，2007年3月発行の51号からほぼ4年振りに，『海外で活躍する日本人研究者・学生からのお便り』と題して，海外でご活躍中の若手研究者や大学院留学を終えて帰国したばかりの大学院生に現地での研究生活を紹介していただきました．根岸先生の言葉にあった「若者は海外に出よ」をまさに実践している方々の体験談は，これから海外に出ようと意欲を燃やす研究者や学生にとって勇気付けられる情報になるのではないでしょうか．

　同時に，海外で活躍する研究者の情報を得ることが，情報化の進んだ現在でさえまだまだ難しいということも感じました．今回の記事を通じて，人と人を結ぶ新たなきっかけが生まれ，世界がわずかでも大きくなる助けになれば幸いです．

　最後に，お忙しい中にも関わらず今回のTED Plazaへの執筆を快く引き受けていただいた皆様に厚く御礼申し上げます．

●第88期広報委員会

委員長：	二宮 尚　　 　 （宇都宮大学）
幹 事：	川口 達也　　 （東京工業大学）
委 員：	植村 豪　　 　 （東京工業大学）
	渡部 弘達　　 （東京工業大学）
	齋藤 元浩　　 （京都大学）
	小田 豊　　    （大阪大学）
	結城 和久　　 （山口東京理科大学）
	洪 定杓　 　   （東京理科大学）

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