部門賞・一般表彰贈呈式
第85期(2007年度)熱工学部門賞・部門一般表彰贈呈式


受賞者一覧 (敬称略)

熱工学部門賞

功績賞 (永年功績賞) 新岡 嵩(秋田県立大学理事・副学長)
深野 徹(久留米工業大学学長)
功績賞(国際功績賞)笠木 伸英(東京大学教授)
功績賞(研究功績賞)近久 武美(北海道大学教授)
功績賞(技術功績賞)横堀 誠一(武蔵工業大学教授)
業績賞小林 秀昭(東北大学教授)

部門一般表彰

貢献表彰店橋 護(東京工業大学准教授)
山田 純(芝浦工業大学教授)

講演論文表彰
・「ガスおよび噴霧浮き上がり火炎における火炎片の特性」
  馬場 雄也(海洋研究開発機構),黒瀬 良一(京都大学)
・「臨界点付近における人工空気のSoret 効果に関する研究」
  中納 暁洋(産業技術総合研究所),前田 哲彦,宗像 鉄雄
・「ナノ熱ダイオード素子の計測方法の開発」
  伊藤 洋平(九州大学),高橋 厚史,藤井 丕夫(産業技術総合研究所),張 興(清華大学)
・「HepG2 細胞のエネルギー代謝率の定常測定」
  吉田 知水(東京大学),白樫 了,高野 清,Christophe Provin,酒井 康行,藤井 輝夫


若手優秀講演フェロー賞(参考)

・「レーザー誘起表面波法を用いた粘性率測定マイクロチップの開発
(第一報 マイクロ領域における高速な表面波挙動の観察)」
  蛭子井 明(慶應義塾大学)



熱工学部門賞

功績賞(永年功績賞)

新岡 嵩 氏
贈賞理由:

熱工学,とりわけ超音速燃焼、微小重力場での燃焼、高温空気燃焼などの分野、および熱工学部門・国際会議の運営、日本燃焼学会会長、国際燃焼学会副会長など、永年にわたり国内外の熱工学の発展に貢献した功績が顕著である。


略歴:
1969東北大学大学院工学研究科博士課程
単位取得退学、東北大学工学部助手
1970工学博士(東北大学)
1970科学技術庁航空宇宙技術研究所出向
主任研究官、スピン燃焼研究室長
1988東北大学高速力学研究所教授
1989東北大学流体科学研究所教授
1995カリフォルニア大学客員教授
2004秋田県立大学地域共同研究センター教授
2006秋田県立大学理事/副学長



功績賞(永年功績賞)

深野 徹 氏
贈賞理由:

熱工学,とりわけ沸騰熱伝達、2相流における流れ現象、2相サーモサイホンなどの分野、および日本混相流学会会長など、永年にわたり熱工学の発展に貢献した功績が顕著である。


略歴:
1970九州大学工学研究科 博士課程修了、工学博士
1970九州大学 講師
1973九州大学 助教授
1981九州大学教授
1981-1982カルフォルニア大学研究員
2004久留米工業大学教授
2006久留米工業大学学長



功績賞(国際功績賞)

笠木 伸英 氏
贈賞理由:

熱工学,とりわけ乱流輸送現象の解明とその制御に関する研究、乱流と剪断流現象に関する国際会議組織委員長、Nusselt-Reynolds国際賞委員会委員長、英王立工学アカデミーフェロー、Int. J. Heat Fluid Flow主幹編集者、熱物質輸送国際センター理事、熱工学部門長など、内外の熱工学研究者の交流に貢献した功績が顕著である。


略歴:
1976東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
1976東京大学工学部専任講師
1977東京大学工学部助教授
1980-81スタンフォード大学客員研究員
1990東京大学工学部教授
1995東京大学大学院工学系研究科教授
2002-04東京大学評議員
2005-日本学術会議会員



功績賞(研究功績賞)

近久 武美 氏
贈賞理由:

固体高分子形燃料電池など、エネルギー分野で国内外の熱工学研究の発展に貢献した功績が顕著である。


略歴:
1982北海道大学工学研究科機械工学専攻博士課程修了
1982北海道大学工学部・講師
1984北海道大学工学部(工学研究科)・助教授
2003北海道大学工学部(工学研究科)・教授



功績賞(技術功績賞)

横堀 誠一 氏
贈賞理由:

熱工学,とりわけ沸騰水型原子炉の燃料棒の熱的安全性評価、事故時格納容器の除熱評価など、原子力機器およびシステム安全の技術分野を通じて、国内外の熱工学技術の発展に貢献した功績が顕著である。


略歴:
1975東京大学工学部機械工学科卒業
1980東京大学大学院博士課程修了、工学博士
1980(株)東芝に入社、原子力の熱流体研究に従事
同社原子力技術研究所、電力・社会システム技術開発センターで主幹・グループ長等を歴任
2007武蔵工業大学工学部教授、現在に至る
この間、日本原子力学会技術賞を受賞、日本機械学会および日本流体力学会フェロー



業績賞

小林 秀昭 氏
贈賞理由:

熱工学,とりわけ高温高圧燃焼のレーザー計測、超音速燃焼場と衝撃波の干渉に関する研究、微小重力液滴燃焼に関する研究など、熱工学分野における研究業績が顕著である。


略歴:
1983東北大学大学院工学研究科博士課程前期課程修了
1983日産自動車株式会社入社
1984東北大学工学部助手
1991工学博士(東北大学)
1991東北大学流体科学研究所助手
1992東北大学流体科学研究所助教授
2003東北大学流体科学研究所教授



部門一般表彰

貢献表彰

店橋 護 (東京工業大学准教授)

贈賞理由:

熱工学研究への貢献ならびに熱工学部門運営に対する貢献が顕著である.



山田 純 (芝浦工業大学教授)

贈賞理由:

熱工学研究への貢献ならびに熱工学部門運営に対する貢献が顕著である.




講演論文表彰

論文題目「ガスおよび噴霧浮き上がり火炎における火炎片の特性」

馬場雄也(海洋研究開発機構),黒瀬良一(京都大学)


贈賞理由:

ガスおよび噴霧の浮き上がり火炎を対象として二次元直接数値計算(DNS)法を行うことにより、そのメカニズム解明とモデリングを試みたものであり、燃焼研究に関わる基礎、応用研究に与える影響が大きい。



論文題目「臨界点付近における人工空気のSoret 効果に関する研究」

中納 暁洋,前田 哲彦,宗像 鉄雄(産業総合研究所)


贈賞理由:

Soret効果という発現の難しい現象に関して、さらに熱拡散比が負値を示すという興味深い場合につき実験的に確認したもので、萌芽性も高く今後の進展が大いに期待される。



論文題目「ナノ熱ダイオード素子の計測方法の開発」

伊藤 洋平、高橋 厚史(九州大学)、藤井 丕夫(産業技術総合研究所)、張 興(清華大学)


贈賞理由:

熱ダイオードの実現は熱工学分野の大きな夢の一つであり、本研究はこの分野の発展に欠かせない基礎的なものと考えられる。今後、非等方性熱伝導率をもつナノワイヤーの標準計測手法になることが期待される。



論文題目「HepG2 細胞のエネルギー代謝率の定常測定」

吉田 知水,白樫 了,高野 清,Christophe Provin,酒井 康行,藤井 輝夫(東京大学)


贈賞理由:

バイオリアクター設計指針を確立するため、ヒト肝細胞のエネルギー代謝率に関し、数値解析も援用して精度の高い測定を行ったものであり、この分野の進展に非常に重要な貢献をするものと考えられる。




若手優秀講演フェロー賞(参考)


論文題目「レーザー誘起表面波法を用いた粘性率測定マイクロチップの開発(第一報 マイクロ領域における高速な表面波挙動の観察)」

蛭子井 明(慶應義塾大学)


贈賞理由:

今後の研究の発展が大いに期待される.また,発表内容,質疑応答,本人が研究を主体的に行ったと判定されること等を評価基準として,熱工学コンファレンス2007開催中に,コンファレンスに参加した機械学会正員による推薦を募ったところ,同君が得た推薦数はフェロー賞対象者18名中で1位であった。