部門関連行事報告

第43回燃焼シンポジウム開催報告


実行委員会委員長 越光男(東京大学)


 日本燃焼学会主催の第43回燃焼シンポジウムが2005年12月5日―7日に東京都江戸川区の総合区民ホール(タワーホール船堀)において開催されました。会場の都合により、例年とは異なって月曜から水曜日の開催となりましたが、一般347名、学生242名、計589名と前年より43名多い方に参加していただくことができました。5会場のパラレルセッションで口頭講演199件、ポスター講演50件、合計249件の研究発表が行われ、活発な議論が展開されました。

 ここ数年の傾向としてエンジン燃焼や燃焼モデリングのセッションが大変盛り上がっているようで、参加者も多いようです。会場のタワーホール船堀は都営新宿線船堀駅のすぐ前で、都心からのアクセスは若干悪いものの、比較的広い会場(140人)が5会場とれる安価な講演会場としては都内ではまれな会場だと思います。

 今年度はちょうど燃焼学会の創立50周年にあたっていて、燃焼シンポジウムとあわせて、燃焼学会創立記念式典も開催されました。この記念式典では記念講演として、千葉科学大学学長・平野敏右教授の「日本における燃焼研究―最近50年の歴史―」と題する講演と、記念特別講演としてPrinceton Universityの C.K.Law 教授の’ Fifty years of magnificent combustion research in Japan’と題する講演が行われました。記念式典には、国際燃焼学会会長、Brian S.Haynes教授およびKAISTのHyun Dong Shin教授もご列席くださり、祝辞をいただきました。

 またシンポジウムでは、東京大学・河野通方教授が「点火・着火・発火」と題する特別講演を行ってくださいました。ご自身の研究史に基づく大変興味ある講演でした。

 今年度の燃焼シンポジウムのポスターセッションではベストプレゼンテーション賞が6件選ばれましたが、この副賞は東京大学のオフィシャルグッズ店で販売されている「御酒」という泡盛でした。これは大変おいしいという評判で、戦前の黒麹が東大農学部に保管されていて、それから復元されたというものだそうです。このポスターセッション会場では例年同様、炎の写真展も開催され、12点の作品が展示されましたが、このうちから最優秀賞1件、優秀賞1件が選ばれました。

 これらのポスターと写真展と同時に、燃焼学会50周年の記念展示も行われました。この記念展示では、国際燃焼学会におけるシルバーメタルの実物や、初巻から現在までの燃焼学会誌の展示をはじめ、燃焼学会の歴史をつづる年表、熊谷先生が始めて無重力実験を行ったときに自作されたという手作りの装置などが展示されました。これらの詳細はいずれ「燃焼研究」の特集号として紹介される予定になっております。50周年の記念パーティーも大変盛況に行われました。

 今年度は例年以上に多くの企業からご協力いただき、企業展示場も大変活況を呈していました。中でも、本田技術研究所からはF1のフォーミュラカーの実物を展示いただきました。このF1カーの周りには常に多くの学生が見学に来ており、大変な評判でした。

 第43回燃焼シンポジウムの実行委員会は、東京大学のグループ(土橋先生、津江先生、手崎先生、三好先生、戸野倉先生)が中心になって運営されました。大変優秀なメンバーに囲まれて、委員長としては実に楽な運営をさせていただきました。これらの実行委員の方々、および当日お手伝いいただいた実行委員の先生の研究室の学生諸子にお礼申し上げます。

 以下にシンポジウムの様子を紹介する写真を何枚か掲載させていただきます。



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C.K.Law教授50周年記念講演
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河野先生特別講演
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一般講演の質疑
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50周年記念展示
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F1フォーミュラカー
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50周年記念パーティー

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