熱工学部門第83期年次大会委員会
委員長 山田 幸生(電気通信大学)
熱工学部門第83期年次大会委員会
幹事 角田 直人(九州大学)
合同部門同好会で挨拶される
Prof. Frank W. Schmidt
(The Pennsylvania State
University)
今年度の部門同好会は、流体工学部門、バイオエンジニアリング部門、計算力学部門との合同で20日夕刻から調布市文化会館で開催された。部門長全員が壇に上がり合同での乾杯からスタートした。各部門長の挨拶は会場を盛り上げ、終始和やかなムードで会は進んだ。流体工学分野でも著名なSchmidt先生には、この会で挨拶をしてもらった。合同同好会は著者の知る限りでは初の試みであったが、概ね好評であった。会場の調整や部門間での経費配分など企画側にとっては負担増の部分はあったが、今後の同好会の1つの形態としてよいモデルになったのではないかと思う。
年次大会は開催が伝熱シンポジウムと熱工学カンファレンスとの狭間ということもあり、毎年、講演および参加者の数で多少苦労することが多いようである。幸い、本大会は魅力あるセッションを企画してくれた先生方のお陰で比較的多くの参加者を集めることができた。ただし、年次大会は、講演論文表彰選考、同好会といった部門独自のイベントや、複数部門による合同セッションやワークショップなどが特色であり、その点をもっとアピールする工夫が必要だと思った。その他にもセッションの時間帯の設定や講演評価方法での不手際など反省点はあったが、大きな混乱もなく無事終えることが出来た。これもご協力頂いた皆様のお陰であり、ここに厚くお礼を申し上げる次第である。
本年度の日本機械学会年次大会は、電気通信大学(東京都調布市)を会場に9月19日〜22日に開催された。天候にも恵まれ、東京での開催ということもあり、参加者数が3千名を超え、大会全体としては成功裡に終わったといえる。以下に熱工学部門の活動を報告する。
熱工学部門は、基調講演1件、ワークショップ1件、ジョイントセッション(JS)2件および一般セッション(GS)を企画した。基調講演は、山田純先生(芝浦工業大学)の企画により「熱工学が拓く21世紀のテクノロジー」と題し、笠木伸英先生(東京大学)、内田裕之先生(山梨大学)、渡辺正先生(東京大学)の3名の先生にご講演いただいた。どの講演も大変興味深い内容で,聴講された方々は大いに楽しめたのではないかと思う。
ワークショップは、環境工学部門と合同で、秋澤淳先生(東京農工大)と柏木孝夫先生(東京農工大)の企画による「ヒートカスケーディングの進展」をテーマに行なわれた。7名の先生が講演し、活発な議論の場とすることができた。JSは、「量子・分子熱流体工学」の12講演、「生体の熱・物質輸送とその応用」の10講演があり、GSは21講演を数えた。なお、JSおよびGSのすべての講演は、講演論文表彰候補者の選考の対象であるため、座長を始めとする評価者4名により採点された。同時に、本大会ではフェロー賞(若手優秀講演)の推薦者選考が行なわれた。
9月20日には第82期の表彰贈呈式が執り行われた。例年、式は部門同好会に先立ち同会場で行なわれていたが、今回はセッション終了後の講演会場で行なわれた。そのため、同好会と分断された形となったが、例年より参観者が多かったことはよかったと思う。その中で国際功労賞は、我が国の熱工学研究者が組織する数々の国際会議をこれまで支援してくださり、本部門とも関わりが深いFrank W. Schmidt先生(The Pennsylvania State University)が受賞した。受賞者名と表彰式の模様は部門ホームページを参照していただきたい。