部門合同オーガナイズドセッション(計算力学部門/熱工学部門/材料力学,情報・知能・精密機器部門)
J-01「エレクトロニクス実装における熱制御および信頼性評価」
オーガナイザ:干 強 (横浜国立大学),石塚 勝 (富山県立大学),三浦 英生 ( 東北大学),吉田 和司 ( 日立機研)
報告:于 強 (横浜国立大学)
2004年度日本機械学会年次大会において計算力学、熱工学、材料力学、情報・知能・精密機器の4部門の合同で標記OSを企画しました。ここでオーガナイザーの一人として本セッション企画の背景と内容などについてご紹介させて頂きたいと思います。
エレクトロニクス実装における信頼性および熱制御に関する技術は電子情報通信産業における機械工学の非常に重要な分野として注目されています。システムインパッケージなどに代表される次世代実装技術の開発に伴い,電子機器においてはますます高密度化,高集積化,複合化と携帯化が進められています.そして,電子デバイスの内部配線,積層膜,マイクロ接合などの強度信頼性が新しい発展における重要なキーテクノロジーとして認識されつつあります.さらに燃料電池,ハイブリッド自動車における実装部品の使用量の増加などによって電子機器はより一層厳しい使用環境に晒されるようになっています。そのような観点から電子実装における熱制御技術の高度化も
求まれています.また,表面実装から3次元実装技術への移行に伴って,これまで独立して評価及び設計を行ってきた電気,電磁,熱,及び信頼性の諸問題においてバランスを考慮しあって総合的に設計する技術も重要な課題として浮かび上がっています.さらにエレクトロニクス産業の特徴としては新技術開発のサイクルが非常に速いこと,そして製品の多様化及びライフサイクルが短いことが挙げられます.このように厳しい競争的環境にさらされているため,高い基礎技術の確立の要求と同時に製品の開発コストの削減も強く求められています.したがって,信頼性評価・設計,熱制御・設計といった学際的な基盤技術について産学が連携して研究開発にあたることが重要であると認識されています.欧米では拠点大学及び研究機関を中心として,強力な産学協同体制のもとで実装技術の開発が進めされています。一方日本では日本機械学会において電子実装信頼性評価および熱制御に関する技術的な課題を解決するために研究分科会が1993年から発足され、これまでにこの分野における産学連携の場を提供してきました。さらに機械学会の会員への発信の場として研究分科会ぁ
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研究者側委員が担当してこのようなジョイントセッションを企画し、この分野の重要性と技術発信などを進めております.今回は各オーガナイザーおよび講演者のご協力の下で22件の講演発表が集まり、大変有意な研究交流が行われました。この場を借りて皆様に御礼申し上げます。