2022年度第2回ビジョン2050ワークショップ 開催報告
報告者 山崎 美稀(技術ロードマップ委員会委員長、(株)日立ハイテク)
2022年12月23日(金)に技術ロードマップ委員会主催の2022年度第2回ビジョン2050ワークショップを開催した。
ワークショップでは、7月1日に開催した第1回ビジョン2050ワークショップに引き続き、JSMEメンバーが考える2050年の社会像を創発し、社会像を実現する新技術や横断分野などの方策を検討することを目的とした。また、第1回目と同様に各部門の代表委員からなる部門連携グループ(表1)を形成し、第1回目で創発した2050年の社会像のレビューにより、社会像実現に向けての具体的な将来課題の抽出とその組織化を実施した。開催方法は本学会の新型コロナウイルス感染症に対するガイドラインの感染防止対策を講じることによる対面方式で実施した。
表1 本ワークショップのための各部門代表委員からなる部門連携グループ
本ワークショップのプログラムを表2に示す。「1.開会の挨拶と本ワークショップの趣旨説明」では、委員長から、ワークショップの目的、推進方法などの説明およびワークショップの結果を今後どのように繋げて行くかについて説明がなされた。
グループ討議の「2.第1回目で創発した社会像のレビュー」では、4つの各部門連携グループのファシリテーターの進行の下、本ワークショップのアジェンダに沿って進められた。はじめに、第1回目のワークショップで創発した社会像のレビューをテンプレート<F1>に基づいて実施した。創発した社会像はどんなものであるかのシナリオをストーリーラインで示した。また、コアポイント(戦略キーワード)の抽出と社会像実現に向けての課題を設定した。
「3.社会像実現のための重要なステップの定義1」では、実現したい将来の方針や外的・内的環境と現状との重要な違いをブレーンストーミングで抽出し、テンプレート<F2>を用いて社会像実現のために起こるべき重要なイベントと技術ステップを現在、短中期、長期の時間順に書き出すように進めた。
表2 本ワークショップのプログラム
(下線の部分はリンクが付けられているのでクリックすると資料がダウンロードできます)
全体説明 |
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13:00~13:30 | 1.開会の挨拶と本ワークショップの趣旨説明(日立ハイテク・山崎美稀) |
グループ討議 |
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13:30~14:00 | 2.第1回目で創発した社会像のレビュー(テンプレート<F1>) |
13:50~15:30 | 3.社会像実現のための重要なステップの定義1(テンプレート<F2>)
現在と実現したい将来の重要な違いの抽出 |
15:45~16:30 | 4.社会像実現のための重要なステップの定義2(テンプレート<F3>)
重要なステップにおける将来課題の組織化 |
全体共有 | |
15:45~16:30 | 5.グループ討議の全体共有と全体討議 |
「4.社会像実現のための重要なステップの定義2」では、ブレーンストーミングを通じて導き出された、実現したい社会像を達成するために実施すべき重要なイベントおよびステップ技術をテンプレート<F3>の2X2のマトリックスを用いてマッピングした。2X2のマトリックスでは、抽出した重要なイベントやステップ技術の関連項目が、障害要素か、促進要素かを考慮し、そしてそれらの項目が制御範囲内にあるか、ないかを考慮してマッピングした。例えば、制御範囲内の障害要素に焦点を当てる場合、実現したい将来を達成するための能力がどれだけ制約されるか、これらの障害要素を除去するためにはどのような段階が必要なのかなどの議論を進めていき、将来課題を組織化させた。
「5.グループ討議の全体共有と全体討議」では、3つのテンプレートを用いてグループA、B、C、D、それぞれで纏めた内容を参加者全体に発表し、各グループの相違を議論した。第1回目のワークショップの社会像の創発では、各グループの発表内容に多くの共通点を含むシナリオとなっていたが、本ワークショップでの社会像実現に向けての将来課題の抽出と組織化では、より具体的に違いが見えていることは印象深かった。
今回のワークショップでは、第1回目で創発した2050年の社会像のレビューにより、社会像実現に向けての具体的な将来課題の抽出とその組織化ができた。今後は部門全体で共有作業を進めることとそれらの議論をベースに2050の社会像の実現に向けたJSME技術ロードマップ策定の議論と将来課題解決につながる部門連携による新技術や横断分野の創出を継続して検討して行く予定である。
以上
お知らせ 2023/01/20