2017年度 宇宙工学部門賞・一般表彰等受賞者
宇宙工学部門
2017年度部門賞・一般表彰等受賞者の紹介
[部門賞受賞者]
功績賞
宮崎 康行(日本大学)
宮崎氏は,第93・94期の宇宙工学部門部門長を務め,同部門の発展・活性化に寄与するだけでなく,超小型衛星や展開宇宙構造物の研究・教育ならびに宇宙実証の研究開発プロジェクトへの参加を通じて,長年にわたり日本の宇宙工学の発展に貢献するとともに,若手育成への貢献も大きい.以上の業績について部門委員会で協議を行い,功績賞にふさわしいとの結論に至った.
宇宙賞
展開型エアロシェル実験超小型衛星(EGG)開発チーム
(代表 鈴木 宏二郎 東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻)
重さ4kgの超小型衛星を国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」から放出し,イリジウム衛星通信サービスと用いた衛星運用や空力加熱を低減させる展開型エアロシェルを用いた大気圏突入を実現し,貴重な飛行データを取得することに成功した.この実験の成功は,簡便かつ低コストな人工衛星の運用や,超小型着陸機による低コスト惑星探査,超小型衛星による宇宙からの帰還などを可能にするもので,宇宙機の新しいサービスにつながる技術を開拓した.
以上の業績について部門委員会で協議を行い、日本機械学会宇宙工学部門 宇宙賞にふさわしいとの結論に至った。
[一般表彰受賞者]
スペースフロンティア
「きぼう」簡易曝露実験装置(ExHAM)開発/運用チーム
(代表 渡辺 英幸 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門
有人宇宙技術センター 主任研究開発員)
本チームは「きぼう」のエアロック、ロボットアーム、船外実験プラットフォームを利用した簡易曝露実験装置「ExHAM」の開発/運用を行い,直接宇宙空間に曝露した搭載サンプルを容易に地上に持ち帰ることを可能とすることで,日本の宇宙工学の発展に貢献した.以上の業績について部門委員会で協議を行い,一般表彰スペースフロンティアにふさわしいとの結論に至った.
大阪大学大学院(東山大輝 谷口明日斗 杉浦大貴 西村和真 野瀬勇斗 小林雅弥 岩郷浩武 田坂直也)
本チームは,第25回衛星設計コンテストにおいて、1入力で自由自在な2次元展開・収縮が可能な展開機構である8位節展開構造体の展開力を用いて、パネルを展開し平面を形成する機構BSDM(Bi-dimensional Spiral Deployment Mechanism)を考案し、これらを用いて大型平面を展開・収縮する様子をカメラにて撮像するという技術実証することを目的とした小型衛星に関する設計結果をデモ機による実演を交えて実現性、有効性を示し、優秀な成績をおさめた。その内容は最終審査会でも高い評価を得たので一般表彰スペースフロンティアに値すると判断した。
優秀学生講演賞
菊谷侑平(東京工業大学)
2017年度スペース・エンジニアリング・カンファレンス(SEC’17)における講演において,研究テーマの有益性と重要性に関する評価が特に高かった.また,発表者の研究内容に対する貢献度や理解度も高く,発表や質疑応答においても内容をよく理解している様子が伺えた.以上の理由から,運営委員会で協議を行い,日本機械学会宇宙工学部門優秀学生講演賞にふさわしいとの結論に至った.
[日本機械学会若手優秀講演フェロー賞受賞者]
中島 曜(早稲田大学)
審査を行った評価項目のうち,研究における貢献度・理解度において評価が高く,また質疑応答においても的確に回答できており,研究への深い理解が示された.さらに,研究の内容についても新規性および有益性を有すると認められる.
これらの理由から,中島曜氏を「日本機械学会若手優秀講演フェロー賞」の受賞者として選出する.