第99,100期委員長

中村 和行(株式会社テクノソルバ)

ご挨拶

 宇宙工学というと皆さん何を思い浮かべるでしょうか。「夢がある」「かっこいい」「今後大きく発展する」などでしょうか。

確かにそう言った面があるのは否定しませんが、一方で地道な技術の積み重ねで成り立っている分野でもあります。例えば、ロケットや人工衛星を開発するためには機械工学や電気工学の知識が欠かせません。更に言えば広範な分野の知識が必要とされる多分野横断的な性格を持っています。複雑なシステムであるだけでなく無重力や真空、時として放射線の影響まで考慮する必要があります。

日本の宇宙開発にはペンシルロケットやおおすみからはじまる長い歴史の中で培われた技術があります。一方で、それらの過去の知識を生かし切れていないようにも思われます。原因は宇宙工学の知識が体系化しきれていないことにあるのではないかと考えており、それらをまとめ上げ、新しい技術につなげていくのが、学会活動の役割の一部ではないかと考えています。

夢を追い求める若い世代に過去の知見を体系化して提供しつつ、活躍の場を提供することを目指して宇宙工学部門の活動を進められればと考えています。