2008年度 宇宙工学部門賞・一般表彰等受賞者
宇宙工学部門
2008年度部門表彰と一般表彰の受賞者の紹介
宇宙工学部門の2008年度部門賞と一般表彰フロンティアの部の受賞者が決定し,表彰式が行われました.2008年11月2日に開催されました第16回衛星設計コンテスト最終審査会,並びに,2009年1月23日に開催されました第17回スペース・エンジニアリング・コンファレンスにおいて受賞者の紹介と表彰状の授与が行われました.
以下に受賞者の方々を紹介します.
[部門賞受賞者]
功績賞 三澤 正吉 (静岡大学)
受賞者は,当部門第84期部門長として優れた指導力を発揮し,当部門の発展と活性化に貢献している.また,当部門の運営委員として,永年に渡り当部門に有益な企画の提案を行い,会員や若い世代の利益を重視した活動を支援している.これらの功績は運営委員のみならず会員にも高く評価され,功績賞に値すると判断した.
[一般表彰フロンティアの部]
JEM開発プロジェクトチーム/JEM運用プロジェクトチーム
きぼうロボットアームは,船内の宇宙飛行士により遠隔操作にて船外実験の支援作業を遂行するマニピュレータとして,1995年から開発が開始され,2008年6月に国際宇宙ステーションに組み付けられた.同年10月までに,ロボットアームのチェックアウト運用を完了させ,船外活動支援等に活用するとともに,2009年5月からの本格的運用の準備を終えた.日本の宇宙ロボットは世界に先駆けて実用化を目指して開発が進められ,本ロボットアームは世界で3番目に実用化されたロボットアームである.その特徴は,安全確保のためソフトウエアとハードウエアに様々な機能を設けていることである.開発された機能は本ロボットアーム特有のものであり,宇宙飛行士の負担軽減に寄与している.また,正確な位置決めを実現するために,視覚装置によるフィードバック情報を自動的にアーム制御に取り込んだ最初の実用ロボットである.軌道上チェックアウトにて,ロボットアームの主要機能が全て健全であることが確認された.これらの実績の宇宙工学への貢献は高く,一般表彰フロンティアの部に値すると判断した.
「月面における微小天体二次散乱物の調査計画」チーム(木佐 充彦・ほか5名 東京工業大学)
第16回衛星設計コンテストのアイデアの部に応募された「Moon Debris Detector」は,SELENE-2月面着陸機(ランダ)にセンサを貼り付け衝撃感知能力を付与したパドル4枚を装着し,ランダに飛来した2次散乱物の衝突を実際に検知することによって,危険性を評価するうえで有用なデータを取得するシステムである.月面上での長期有人活動に向けて,微小天体による2次散乱物の衝突危険性に目を向けたアイデアおよび実現に向けたシステム構成が最終審査会において高い評価を得たので一般表彰フロンティアの部に値すると判断した.