宇宙工学部門
2012年度部門賞と一般表彰の受賞者の紹介

 宇宙工学部門の2012年度部門賞と一般表彰スペースフロンティアの受賞者が決定し,表彰式が行われました.2012年11月10日に開催されました第20回衛星設計コンテスト最終審査会,並びに,2013年3月28日に開催されました宇宙工学部門新旧合同運営委員会において受賞者の紹介と表彰状の授与が行われました.以下に受賞者の方々を紹介します.

[部門賞受賞者]

宇宙賞
目黒 在(東京都市大学)

目黒氏は,第89・90期の宇宙工学部門部門長を務め,同部門の発展・活性化に寄与するだけでなく,衛星搭載用の大型展開アンテナに関する先駆的な研究や開発等を通じて,長年にわたり日本の宇宙工学の発展に貢献するとともに,衛星設計コンテストにおける実行委員を務めるなど,宇宙工学分野における若手育成への貢献も大きい.  以上の業績について部門委員会で協議を行い,功績賞にふさわしいとの結論に至った.

[一般表彰受賞者]

スペースフロンティア
小型実証衛星4型(SDS-4)開発チーム(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)

本チームは,50kg級の小型衛星としては,日本で初めてとなる高精度の「常時3軸ゼロモーメンタム制御衛星」を短期間で開発,その軌道上実証に成功した.また,打上げ後の運用においても,全ミッションサクセスを達成し,今後,大学・産業界等で,益々の発展が予想される同一クラスの小型衛星の礎を築いた.以上の業績について部門委員会で協議を行い,一般表彰スペースフロンティアにふさわしいとの結論に至った.

再突入データ収集装置「i-Ball」開発チーム(代表 杉村文隆,株式会社IHIエアロスペース)

本チームは,再突入データ収集装置「i-Ball」の開発および,こうのとり3号機での実運用を行い,宇宙機が大気圏に突入の際の挙動を観測するとともに,燃え残った部品の落下位置情報を得るなど,多くの有益なデータの収集に成功し,日本の宇宙工学の発展に貢献した.以上の業績について部門委員会で協議を行い,一般表彰スペースフロンティアにふさわしいとの結論に至った.

スペースフロンティア(衛星設計コンテスト)
デブリ軌道変更衛星 防衛大学校チーム(代表 安平浩義 防衛大学校)

本チームは,第20回衛星設計コンテストにおいて,デブリとなった衛星の除去方法として,小型衛星から導電性テザー付の金属弾を撃ち込むアイデアを提示するとともに,金属弾の打ち込みについては実験結果に基づいて実現性を示し,優秀な成績をおさめた.その内容は最終審査会でも高い評価を得たので一般表彰スペースフロンティアに値すると判断した.