「宇宙機器・システム -Space Equipment and Systems-」発行


機械工学便覧 応用システム編 γ11
宇宙機器・システム -Space Equipment and Systems-

2007年1月31日発行
体裁A4判 並製 本文209ページ
会員特価3,800円(税込), 定価4,830円(税込)(送料各々500円)

主要目次

申し込み: http://www.jsme.or.jp/publish/c11.htm


著者 書名 出版社 定価
  宇宙機構造・機械設計基準 機会学会 6000円
藤森義典 人類は宇宙へむかう,機械学会テクノライフ選書 オーム社 1456円
富田信之 宇宙システム入門,ロケット・人工衛星の運動 東大出版会 3800円
富田信之 宇宙をめざす,ロケット技術者からみた宇宙開発 ポプラ社 1600円
新田慶治,木部勢至朗 宇宙でいきる,機械学会テクノライフ選書 オーム社 1456円
上条謙二郎,平田邦夫 ロケットをとばす,機械学会テクノライフ選書 オーム社 1456円
茂原正道 宇宙工学入門,衛星とロケットの誘導と制御 培風館 1600円
茂原正道 宇宙システム概論,人工衛星の設計と開発 培風館 1600円

書評   

小林繁夫著 「宇宙工学概論」 丸善   

コロナ社:宇宙工学シリーズ 7冊

2001年になって宇宙工学に関しての本が出版されましたので紹介します. 一冊目は小林繁夫著「宇宙工学概論」丸善,(229ページ,3500円)です.  著者は長年にわたって東京大学航空学科で航 空宇宙構造に関しての研究と教育の指導をされ,1991年より東京都立科学技術大 学,東京理科大学をへて1995年より宇 宙開発事業団の技術参与をされております.宇宙開発事業団においては,ロケットや 人工衛星などの設計審査や技術研究成果の 評価,打ち上げ失敗等の原因調査などにたずさわられて指導をされてきました.これ らの経験を加味されて宇宙工学全般につい てバランスよく,しかもこの種の本にありがちな数式を省いたお話でなく,きちんと した教科書として記述されています.内容 は衛星とロケットが主体ですが宇宙往還機や宇宙ステーションも盛り込んでありま す.内容が豊富なので読み飛ばして宇宙工学 全体を概括するにもよいし,丁寧に読んで数式を追っかけて本格的な勉強もできま す. ただし,完全に理解しようとするとか なりの予備知識,または基礎工学の教科書を机上に用意しておく必要があります.  この本の読者は大学生であることを前提と されていますが,かなりベテランの宇宙関連技術者にも大変有用な1冊です.

2冊目というよりも次に紹介するのはシリーズものです.コロナ社から宇宙工学シ リーズとして次の7冊が出版されます.

1.宇宙における電波計測と電波航法    高野忠,佐藤亨,村田正秋,柏本昌美共著

2.ロケット工学    松尾弘毅監修,柴藤羊二,渡辺篤太郎共著

3.人工衛星と宇宙探査機    木田隆,小松敬治,川口淳一郎共著

*.宇宙ステーションと支援技術    狼嘉彰,堀川康,冨田信之,白木邦明共著

*.宇宙環境利用の基礎と応用     東久雄,山下雅道、栗林一彦,稲富裕光,河野通方    津江光洋,大田治彦,大西充,小松敬治共著

*.宇宙通信および衛星放送    高野忠,小川明,小林英雄,外山昇,有本好徳共著

*.宇宙からのリモートセンシング    高木幹夫監修,増子治信,川田剛之共著

番号のふってあるのが既刊です.各冊とも270ページ前後で3800円程度になる 予定だそうです.一般読者を対象とせず, 技術者や学生を対象とすることは出版社はかなりリスクがあるわけですが,ついに宇 宙工学のハードカバー本がシリーズになっ たということで,出版社の心意気を感じる計画です. このシリーズの特徴は通信, 観測,宇宙環境利用などの利用分野に力が そそがれていることです.まだ,3冊しか出版されていない状況ですが注目のシリー ズです.