第6回ロボットグランプリについて
ロボットグランプリ実行委員長
広瀬茂男(東京工業大学)
第6回ロボットグランプリは11月2日(土),3日(日),
4日(祝日)に目黒区大岡山の東京工業大学キャンパス内の講堂と隣接する講義棟で開催された(写真1).
天気も良く親子連れで参加してキャンパス内の芝生のスロープで食事を楽しむ風景などもあり,
ロボット作りに情熱を燃やす参加者とロボットに興味を持つ観客が一体となった大変気持ちの良い大会になった.
今回の大会については,
ロボットスカベンジャ−競技に優勝した森君親子を追跡した「親の目子の目」という番組が12月13日(金)にテレビ朝日で放映された.
昨年に引き続き本年もテレビ番組で本大会が紹介され本大会が広く日本全体に知られるようになって来ているのは大変喜ばしい.
写真1
各競技の結果は以下のようであった.
● 大道芸ロボット競技
大道芸人のように観客を魅了する楽しいロボットを作り上げる競技.演技時間は3分.
今年の優勝は東京工業大学機械宇宙学科の高橋将史さんらのグループ「くまのオリビー」.
四足歩行をする熊型ロボットで実によく動いた(写真2).準優勝は群馬県立太田工業高等学校ものつくり愛好会の「金剛(まさお)」.
ヘリウムガスで直立2足歩行する大型ロボットという奇抜なアイデアで会場がどよめいた(写真3).
3位は東京工業大学機械宇宙学科の近藤康太郎さんらのグループ「釈迦釈迦」.
お釈迦さまが特製カクテルを作ってくれて(どろっとした緑色)それを共演者が一気に飲み干すという楽しい演技であった(写真4).
特別賞としては,芸術賞が不二越工業高等学校の桑名潤平さんらのグループ「三世代ロボット ロボファミリー」(写真5)に,
からくり特別賞が香川大学学生ロボット研究所の庄司龍さんらのグループ「マジカル☆ツリー」(写真6)におくられた.
写真2
写真3
写真4
写真5
写真6
● ロボットランサー競技
槍を装備した自律型ロボットが,100秒の間,円周状のコースを周回しながら標的をどれだけ突けるかを競う競技(写真7).
111台がエントリーし,30台が決勝に進出した.優勝は丸木雅大さんの「青嵐」であり,
恐ろしいスピードと正確な槍さばきで2630点という最高得点を出した(写真8).
常連組も健闘し,準優勝には抜群の安定感を誇る田村眞さんの「ロボキヨマサ」が入賞した(写真9).
写真7
写真8
写真9
● ロボットスカベンジャー競技
事前に大会事務局に申し込んでもらって1台3000円の競技用車両キットを入手していただく.
そして,家庭にある材料で車両の上に操作装置を作り,ごみと資源ごみに見立てたピンポン玉を集めるという競技である.
2名のチームで参加してもらっている.今回はテレビでも紹介されたように,森裕之さん,
森弘君のグループの「必笑くん2号・3号」が127点を獲得して優勝した(写真10,11).
回を重ねるうちにロボットの構造が収束して来つつあるが,敢闘賞を受賞した村上昇二君,史郎君の「ムラカミ兄弟」(写真12),
アイデア賞の居澤輝一さん,君塚進さんの「ベルトコンベアー号,闇のぞうさん」(写真13)が,ピンポン玉を集める仕組みや,
持ち上げていく機構などで注目された.
写真10
写真11
写真12
写真13
今回の大会では,
競技と並行して先端ロボットの展示とロボコン関連の部品やロボットキットの展示即売を行う「ロボットフェスティバル」も実施した
(写真14,15).両方とも大変評判がよく来場者に喜んでもらえた.
今後も同様の企画を続け,ロボットグランプリに行けばロボットの競技を楽しめるだけでなく,先端ロボットのデモも見ることが出来て,
しかも手作りロボットの部品はすべて入手できるというようにロボットを身近に楽しめる大会にしてゆくつもりである.
写真14
写真15
来年度の第7回大会は,本大会を全国展開してゆく手始めとして,関東を離れ名古屋大学で11月15日(土),
16日(日)に実施(ロボットスカベンジャーの東京予選大会は9月20日に東工大で実施)の予定である.
詳細および競技の映像は,ロボットグランプリホームページ
http://www.RobotGrandPrix.com で公開しているので,是非ご覧いただきたい.
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Last Update : 2003/05/12
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