ニュースリリース２０１０年４月１日

社団法人日本機械学会は，2009年度日本機械学会賞をはじめとして以下69件を決定いたしました．日本機械学会賞（技術功績2件，論文１６件，技術７件），日本機械学会奨励賞（研究２０件，技術１５件），日本機械学会教育賞（４件），日本機械学会優秀製品賞（5件）．このうち奨励賞は35歳以下の若手研究者，また優秀製品賞は中堅・中小企業の製品を対象にした賞です．受賞式は2010年4月23日（金），東京・港区の明治記念館で開催される日本機械学会第87期通常総会で行います．

◆日本機械学会賞
日本機械学会では「日本の機械工学・工業の発展を奨励する」ことを目的に，昭和34年4月の第36期通常総会より毎年，日本機械学会賞の表彰を行っています．2009年度は，日本機械学会賞，同奨励賞，同教育賞，同優秀製品賞の4部門で合計69件の受賞を決定，通常総会で表彰します．
日本機械学会賞（技術功績）は「HDDにおける磁気ヘッド用配線パターン付きサスペンション"CAPS"の開発（CAPS：cable-patterned Suspension）」（大江健：東芝ストレージデバイス（株）など2件，同（論文）は「前腕筋活動電位の表面伝導解析」（中島康博：北海道立工業試験場ほか３名）など16件，同（技術）は「ロボットによるビル清掃システム」（青山元：富士重工業（株）ほか４名）など７件に決定．35歳以下の若手研究者を対象にした日本機械学会奨励賞（研究）は「計算力学の生理流体現象への応用の研究」（今井陽介：東北大学）など20件，同（技術）は「画像演算による振動モード判別・追跡技術の開発」（榎本裕久：（株）日立製作所）など15件．また，日本機械学会教育賞は「「家族単位で機械工学・エネルギーの理解を深める親子見学会の企画と継続実施」（動力エネルギーシステム部門企画委員会（代表者：小澤　守（関西大学））など4件の受賞を決定しました．
【受賞者一覧】

◆「まるごとエキス」など5製品が受賞――優秀製品賞
日本機械学会では，2005年度より中堅・中小企業を対象とした日本機械学会優秀製品賞を設けています．同賞は，本学会の特別員（法人会員）企業を対象に，既存技術の工夫や改良，草の根的な技術開発などによって生み出された優れた製品を顕彰することで，わが国のものづくりを幅広く活性化・サポートすることを目的としたものです．5回目の2009年度は，次の5件の受賞を決定しました．
高精度の把持力・位置・速度制御を実現した「電動グリッパ　ESG1シリーズ」（（株）ＴＡＩＹＯ），調味料や化粧品開発に用いられる「汎用タイプの超高圧処理装置「まるごとエキス」」（（株）東洋高圧），自動車教習所などの安全運転教育にも用いられる「可搬運転検査器アクセスチェッカー・ミニ＆ドライビングシミュレータ」（（株）日立ケーイーシステムズ），液漏れなどがゆるされない汚水・汚泥移送，薬液の注入に用いられる「マグネットカップリング型モーノポンプ」（兵神装備（株），独創的な新機構で多彩な加工方法を可能にした「複合加工機　INTEGREX i-150」（ヤマザキマザック（株））　
【受賞者一覧】

◆次期会長に松本洋一郎が内定
　日本機械学会の2010年度の会長に東京大学理事・副学長／大学院工学系研究科教授の松本洋一郎（まつもと・よういちろう）の就任が内定しました．4月23日の第87期通常総会後に就任いたします．
新会長の略歴：1949生まれ．東京大学大学院修了（工学博士）．77東京大学工学部講師．'78年同助教授．'92年同教授（後組織変更にて大学院教授）．'06年同工学系研究科長．'08年同総長特任補佐（副学長）．'09より現職．日本機械学会フェロー．日本流体力学会会長，可視化情報学会会長など歴任．日本機械学会賞他受賞多数．

◆総会特別企画「技術者の魅力と学会」
科学技術創造立国を標榜する我が国にとって，多くの優秀な技術者を継続的に輩出することは国家戦略の重要な柱である．本企画では「技術者」という職業を子供や若者にとって魅力あるものとし，技術者自身も誇りを持って仕事ができる状況とするために，学会として何ができるか，何をすべきかを考えます．講師には技術者，大学，高等学校，マスコミなど幅広い見識者にお願いし，パネルディスカッションには講師にも参加いただきます．入場無料となりますので，ご参加をお待ちしております．詳細

会　場：上記同一会場（明治記念館富士の間）
開催日時：2010年4月23日(金) 10時～15時
入場無料

学会賞・奨励賞・教育賞・優秀製品賞の一覧