インターネットを活用した「つながる工場」における生産技術と生産管理のイノベーション研究分科会(P-SCD386)

お知らせ:(2016/3/1)

本研究分科会は、2016年2月をもって終了いたしました。2014年9月に設立以来、インダストリー4.0への関心の高まりを受けて、多くの皆様の熱い思いの中で、非常に内容の濃い活動ができたとおもっております。最大の成果は、2015年6月に発足したインダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ(IVI)の設立母体となり、設立後も産学の連携の具体例として、合同でセミナーをおこなってきました。学会の活動が産業界に与えたインパクトとしてはとても大きいものがあったと自負しております。

本研究分科会の活動報告の総括として、3月14日に開催される生産システム部門研究発表講演会にて、報告をいたします。また、IVIは、3月10日に、本年度の成果発表会を開催します。ぜひご参加ください。

最後に、多くの皆様のご協力、ご支援に心より御礼もうしあげます。

主査:西岡靖之(法政大学)
幹事:日比野浩典(東京理科大学)

終了したイベント

第九回(IVIと共同開催)

日時:2016年2月10日(水)10:00~12:00
場所:機械振興会館B2ホール

テーマ:
(1)IVI「つながる工場」のためのつながるしくみ解説書
講師: 西岡靖之(IVI理事長:法政大学)

(2)IVIゆるやかな連携のためのリファレンスモデル辞書
講師: 茅野眞一郎(IVI標準モデル委員長:三菱電機)

第八回(IVIと共同開催)

日時:2015年12月10日(木)13:00~15:00
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター

テーマ:
(1)ORiNによる設備間データ連携の方法
講師: 犬飼利宏(デンソーウェーブ) 講演資料

(2)OPC-UAによる工程間データ連携の方法
講師: 大野敏生(日本OPC協議会)講演資料
本田寿明(日本OPC協議会技術部会)講演資料

第七回(IVIと共同開催)

日時:2015年10月8日(木)14:00~17:00
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(センター棟101会議室)

テーマ:
(1)インダストリー4.0関連の国際標準化の動向とわが国のポジション 発表資料
講師: 小田 信二(IEC SG8日本代表 横河電機A-MK本部 テクノロジーマーケティング室長)

(2)ドイツacatech最新事情と日独連携の可能性
講師:前田智彦 富士通 テクノロジ&ものづくり本部 生産革新センター センター長代理

(3)日本発リファレンスモデルの作り方(業務シナリオ作成チュートリアル) 発表資料
講師:西岡靖之 法政大学デザイン工学部 IVI理事長

第六回(合宿形式):参加者27名

日時:2015年8月26日~27日
26日・・・工場見学(デンソー西尾工場)+討論会
27日・・・工場見学(DMG森精機)

第五回(インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ設立記念大会)

日時:2015年6月18日
場所:機械振興会館B2イベントホール(東京都港区芝公園3-5-8)

内容:ディスカッショングループ課題中間発表
講師:各ディスカッショングループ代表者

会員企業53社から120名以上の参加者のもと、設立記念大会(設立総会)が行われました。多くのメディアにも大々的にとりあげていただきました。

第四回(終了しました。参加者54名)

日時:2015年4月23日(木)13:30-17:00
場所:日本機械学会会議室(新宿区信濃町35 煉瓦館5階)

テーマ:新しい情報通信基盤としてのIoT(Internet of Things)とその産業利用
講師:越塚 登(東京大学大学院情報学環・教授)

概要:980年代よりUbiquitous Computing、Pervasive Computingとして研究されてきた情報通信技術は、現在IoT(Internet of Things)と呼ばれ、我々の社会のあらゆる場面に導入され、その社会を大きく変えようとしている。特に今世紀以後は、ドイツのIndustrie 4.0や米国のIndustrial Internet、中国の物聯網など、世界的にも盛んに取り組まれ、特に、生産工程や社会インフラの管理運用、物流、災害対応、医療、小売、教育など、様々な適用例が現れている。今回は、IoTのこれまでの流れと現状、特に、様々な応用分野における利活用の状況を実例を交えてお話したい。講演資料

第三回(終了しました。:参加者42名)

日時:2015年2月23日(月)13:30-17:00
場所:日本機械学会会議室(新宿区信濃町35 煉瓦館5階)

テーマ:エンジニアリングチェーンにおける生産システムシミュレーション技術
講師:日比野浩典(東京理科大学准教授),

米国におけるシミュレーション技術の動向を中心に、「つながる工場」のためのシミュレーションの枠割りを体系的に説明した。モデリングのフェーズが重要であるという点、それぞれのベンダーのモデルは、どうしても相互に互換性がなく、つながらないという点など、解決すべき課題はあるが、今後、ユーザインタフェースの工夫により運用フェーズでの活用など、IoTの流れのなかでさらに応用範囲がひろがりそうである。

講演資料はこちら

テーマ:「生産システム設計を通じた生産準備の垂直統合」
~シミュレーション統合生産による設計、生産準備、量産の連携~
講師:中村昌弘(レクサーリサーチ代表取締役)

IoT時代では、SIM(シミュレーション統合生産)のコンセプトが重要となる。SIMは、サプライチェーンとエンジニアリングチェーンを統合し、製品設計、生産準備、そして生産管理において、それぞれモデルやツールが連携する。また、ツールのユーザインタフェースがよくなることで、生産技術者など、シミュレーションの専門家でなくてもモデルが作成できるようになる可能性を示すとともに、モデルやデータを共有するためのグローバル・ファクトリ・レジストリを呼ばれる手法も紹介した。

講演資料はこちら

第二部(討論会)では、「”つながる工場”によって何がしたいか、何ができそうか?」をテーマに4グループで意見を整理しました。

第二回(終了しました。)

日時:2014年12月12日(金)13:30-17:00
場所:日本機械学会会議室(新宿区信濃町35 煉瓦館5階)

テーマ:工場管理、製造現場のリファレンスモデルとデータ連携技術
講師:西岡靖之(法政大学デザイン工学部)

概要:現在いろいろな意味で注目されているIoTやM2Mといった視点には、ものづくりの現場の知恵や技術へこだわりが抜け落ちています。わが国の強みである現場力を生かし、それをICTを用いてボーダレスに展開するには、標準化技術およびリファレンスモデルの構築が不可欠です。ハードウェアとソフトウェアからなる第一種のシステムと比較して、ハードウェア、ソフトウェア、そしてヒューマンウェアの3つの側面をもつ第二種のシステム(つまり、現場のものづくり)では、相互運用性のためにリファレンスモデルが重要な役割をもちます。欧米におけるリファレンスモデルの現状とともに、純国産のリファレンスモデルであるPSLXについて紹介し、その活用と今後の展開について議論します。

講演資料はこちら

第一回(終了しました。)

日時:2014年10月23日(木)13:30-17:00
場所:日本機械学会会議室(新宿区信濃町35 煉瓦館5階)

テーマ:ロボットミドルウエア標準:RTミドルウェア
講師:
安藤慶昭(経済産業省製造産業局産業機械課)

概要:近年,ロボットシステムの複雑化・高度化に伴いソフトウェアの比重が大きくなりつつある。次世代ロボットにおいては,ティーチング技術,サービスコンテンツ,高度なセンサ技術を利用した柔軟な制御が求められ,これらの技術を統合するプラットフォームとしてのミドルウェアやOSの重要性が増々高まっている。RTミドルウェア (RT-Middleware: RTM) は、経産省・NEDO等いくつかのプロジェクトにまたがり産総研が中心となって研究・開発・標準化されてきた国産のロボット用ミドルウェアである。ロボットシステムの機能要素をモジュール化することで、コストの削減、最新技術の導入、多様なニーズへの対応を実現し、ロボットのシステムインテグレーションにおけるイノベーションを達成することを目指している。本講演では,世界的なロボット用ミドルウェア・OSの流れを紹介するとともに,RTミドルウエアの位置づけ・特徴・利点などについて紹介する。

講演資料はこちら

第二部では、4つのグループにわかれて、つながる工場についての現状の問題や課題について討論しました。つながる工場のメリット、標準化のむずかしさ、実際の製造業の悩みなど、多くの意見が寄せられました。

ボーダレスに広がる生産システム技術の新展開(関連イベント)

日時:2014/11/12 13:00-14:40
場所:
東京ビックサイト西ホールアトリウム

講演資料はこちら

説明会(終了しました)

日時:2014/9/9 13:00-15:00
場所:東京電機大学北千住キャンパス(1号館2階1213-1214教室)

オープンフォーラム(終了しました)

テーマ:わが国の成長戦略とものづくりイノベーション
日時:2014年7月24日 13:00-17:00
場所:日本機械学会会議室(新宿区信濃町35 煉瓦館5階)

プログラムおよび当日の資料はこちら

部門講演会企画セッション(終了しました) プログラム

日時:2015年3月16日(月)12:50~16:00
場所:慶応義塾大学独立館

Industrie4.0時代に向けた製造業の競争優位の一考察

-SW・HWの統合的アーキテクチャ論からのFA関連システムメーカー日独比較分析
講師:高梨 千賀子(立命館大学 准教授)

内容:IoT やIndustrie 4.0といった様々な構成要素をネットでつなげるプラットフォーム構想が米・独で活発に議論されるようになってきた。世界の製造業の一翼を担う日本の製造業は、これらの構想の中でどのような強みを発揮しうるのか。本報告では、日独の製造業を下支えするFA関連システムメーカーの現状について、従来のHW中心のアーキテクチャ論にSWの論点を加えた統合的アーキテクチャ論の視点から分析する。これを通して、繋がる未来での製造業の課題と競争優位について考察を試みる。

製品のライフサイクル全体に渡るモデルベースシステムズエンジニアリング

講師:西村 秀和(慶應義塾大学 教授)

内容:製品のライフサイクルを通して MBSE (Model-based Systems Engineering)のアプローチをとることの必要性を述べるとともに、最新の海外動向に触れる。Industry 4.0では、市場で不具合が発生した製品について、その生産工程の改修を施し、不具合の修正に即座に対応することが求められている。このためには、コンセプトの段階から開発、製造、運用・保守、廃棄に至るすべてのステージ間でモデル連携が必要となる。複数のドメインをまたぐ複雑化した製品でこれを実現に導くにはMBSEの導入を急ぐことが求められる。講演資料

IoT環境下における「考える工場」の実現を目指して〜内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における取り組み

講師:貝原 俊也(神戸大学 教授)

内容:神戸の代表的な地域産業であるスポーツシューズを対象に,現在,内閣府SIPにおいて革新的設計・生産に関する研究開発を進めている.ここでは,その概要と基本的な考え方を紹介するとともに,IoT環境下におけるユーザとメーカの持続的インタラクション,および工場を構成する自律機械間の合理的交渉による「考える工場」の実現に向けた取り組みについて説明を行う.ここで提案する考え方は,アジャイル生産によるプロデューザイノベーションと,デライト設計によるユーザイノベーションの双方を同時に実現することを目指しており,これからの展開が期待される.講演資料

生産ラインシミュレーションを用いたIndutrie4.0の効果検証

講師:則竹 茂年(豊田中央研究所 先端研究センター社会システム研究室)

内容:近年、ドイツが積極的に進めているIndustrie 4.0に関して、日本企業にとって、どのような嬉しさがあるか、明らかになっていない。そこで、生産システムシミュレーションを用いて、Industrie4.0の効用評価を試みようとしている。本目的のために必要な生産ラインシミュレーションの機能と注意点について、議論する。講演資料

フィジカル・システムと連動した製造設備シミュレーション

講師:森 健一郎(オムロン オートメーションシステム統轄事業部Sysmac推進センタ開発管理部)

内容:製造設備シミュレーションモデルと各種コントローラなどのフィジカル・システムを連動させることで、事前検証や制御プログラムのデバッグが可能になる。そのシステム間の連携には、通信標準としてOPCやORiNが利用されている。本システムは、実・仮想生産システムの概念に源流があり、エンジニアリング・プロセスを大きく変える意図があった。本講演では、フィジカル・システムのリファランスモデルと具体的な通信標準の動向を整理した上で、コントローラから見た製造設備シミュレーションの動作原理を解説する。そのうえで、現状で実現可能なこと、および将来への技術課題について論じる。講演資料

富士通が考える次世代ものづくりICT

講師:熊谷 博之(富士通株式会社 産業・流通営業グループ)

内容:ものづくりの世界でも様々な場面でICTを活用して効果をあげることができる。富士通では、パソコンや携帯電話の製造工場でもICTを活用した製造装置のシミュレーションや人とロボットの協調作業のシミュレーション、センサーやRFIDを活用したものと情報の一元化などの取組みをしている。今回は、富士通での社内事例の紹介を通して、工場でのICT活用の現状と今後の可能性について述べる。講演資料

ダウンロード

プレスリリース

分科会のゴール

前期(2014年9月〜2015年6月)

「つながる工場」のために重要となる技術課題を明らかにし、現有の技術を標準化、オープン化、ネットワーク化するためのグランドデザインと、実現へ向けての具体策を明らかにします。

<中間報告書>2015年3月

後期(2015年7月〜2016年2月)

「つながる工場」の技術的フレームワークを、実際の産業社会のインフラに落とし込むための方策と、国際的に発信し、戦略的エコシステムを形成するためのロードマップを明らかにします。

<最終報告書;提言>2016年3月