【行事レポート】生産システム部門研究発表講演会2024

No.24-5 生産システム部門研究発表講演会2024【コロケーション講演会】

<概要>
2024年3月4日(月)と5日(火)の2日間,「生産システム部門研究発表講演会2024」を開催しました.今回も「IIP2023 情報・知能・精密機器部門講演会」との同時開催(コロケーション)とし,かつ対面とオンラインの両方で発表と聴講を可能にしたハイブリッド方式としました.
2日目はあいにくの雨でしたが,会場をご提供いただいた岡山大学は交通の便も良く,多くの方に対面で参加頂くことができ,会場は大変盛況でした.
参加登録者は生産システム部門(MSD):144名,情報・知能・精密機器部門(IIP):192名 と昨年を超え,しかも現地参加が約9割,合同懇親会も100名程度の参加があり,ようやく対面での交流が復活した様子です.一方で企業の方々を中心にオンライン参加へのニーズは変わらず高いものがあります.
ハイブリッド方式は,以前はコロナ禍でオンライン開催とせざるを得なかったことが起点ですが,結果, 良い方向で型が定着してきたと言えるでしょう.

<内容:セッション>
講演登録数で MSD:69件,IIP:105件の研究発表が行われました.
MSDでは,従来からの7つのオーガナイズドセッション OS1. 生産・物流のモデリング・シミュレーションと見える化,OS2. 生産管理・スケジューリングおよびサプライチェーン,OS3. 設計・生産プロセスの情報化(CAD, CAM, CNCなど),OS4. 生産システムにおける設計・運用・評価および国際展開,OS5. アディティブ・マニュファクチャリングの生産システム,OS6. 企業の開発事例(講演原稿不要),OS7. スマートマニュファクチャリング に加えて,OS8.MSD-CyFA合同企画セッション(システム制御情報学会連携セッション)を行いました.
さらに今回,新たな取組として OS7 をMSD・IIP合同セッション「スマートマニュファクチャリング/IoTと情報・知能・精密機器」として編成しました.これは2023年11月に日本機械学会で新設された「分野連携表彰制度」を活用した企画です.同一セッション内でMSD・IIP両部門から発表頂き,両部門から表彰に値すると評されたテーマに対し,両部門長の連名で表彰する仕組みです.従来の表彰制度は維持したままですので,純粋に表彰機会が増えたことになります.
コロケーション開催によって聴講者はMSD・IIPどちらのセッションにも参加できるとは言え,なかなか他方を聴くのは難しかったのが実情と思われますが,合同セッションでは近い分野で双方の研究を,そして違う角度からの意見を聴くことができる点でも,発表者・聴講者の皆様にとって価値があると考えます.
発表時間をIIP部門と合わせる必要があり,本セッションだけ10分と短縮しました点は申し訳なく思います.今回の良かった点、改善すべき点をしっかり振り返り,次回以降に生かしたいと考えます.ぜひご意見をお寄せください.合同セッション・分野連携表彰が少しでも研究者の皆様の励みに繋がることを願います.

<内容:合同企画>
前述の合同セッションのほか,1日目の午後,特別講演として「生成AIと予測AIによる新しい価値の創出 生成AIにおける日本の製造業のニーズと課題」(DataRobot Japan 伊地知晋平氏,長野将吾氏),合同ワークショップとして「オーダー割当最適化技術による倉庫ピッキング業務効率化」(富士通株式会社 山崎貴司氏),「非破壊検査のデジタルデータ活用における開発事例」(東芝エネルギーシステムズ株式会社 山本摂氏),「サービスメカニズムとしてのスケジューリングオークション」(青山学院大学 杉之内将大氏),「CT透視下針穿刺ロボットZerobotの研究開発」(岡山大学 松野隆幸氏)にご発表いただき,活発な意見交換が行えました.

<表彰・合同懇親会>
表彰式も対面で行うことができました.
合同懇親会は申込者数が早い時期に定員まで達し,受付できなかった方々もおられたことは申し訳ありませんでした.

<特別企画:研究室見学会>
3月5日(火)昼に,岡山大学のご協力により研究室見学会が開催され,約40名の参加がありました.医療ロボット, 移動ロボット, 産業用ロボットなどに関する研究で,実験設備が直に観られるなどは現地参加ならではの価値と言えるでしょう.

<謝辞>
最後になりましたが,講演者ならびに参加者,セッションオーガナイザ,実行委員,事務局,関係各位に感謝を申し上げます.次回の講演会も,引き続きご協力をお願い申し上げます.IIP部門の実行委員の皆様に加え,岡山大学の学生の皆様には当日の運営に尽力いただき,ハイブリッドという複雑なオペレーションを完璧に実行頂きました.加えて会場をご提供いただいた岡山大学関係者の皆様には,1日目午後の合同企画会場「共育共創コモンズ」は伸びやかな木造建築で素晴らしい会場であったことを感想としてお伝えしたく存じます.
また(公社)おかやま観光コンベンション協会様には本講演会の開催に対し助成頂きました.岡山電気軌道株式会社(岡電バス)様には懇親会の際に岡山駅と岡山大学を繋ぐバスも臨時で増便を頂きました.重ねてお礼申し上げます.

石橋広行(第101期部門長,オムロン株式会社)