【行事レポート】生産システム部門研究発表講演会2023

No.23-10 生産システム部門研究発表講演会2023【コロケーション講演会】

2023年3月6日(月)と7日(火)の2日間,生産システム部門研究発表講演会2023を開催しました.IIP2023情報・知能・精密機器部門(IIP部門)講演会との同時開催(コロケーション)も3回目になりましたが,新型コロナウィルス感染症の流行が社会的に問題となってからは始めて,対面での発表と聴講を可能にしたオンラインと対面のハイブリッドでの開催となりました.生産システム部門講演会は,関東地区で開催することが多かったのですが,今回は九州地区で行うことになりました.コロナ禍で人々の交流の制限に対する反動に加えて,九州の地の魅力が多くの参加者を誘ってくれました.具体的には,生産システム部門(MSD)で58件,情報・知能・精密機器部門(IIP部門)で132件の研究発表が行われました.また,対面にオンラインでの聴講を加えた参加人数は生産システム部門では109名,IIP部門では204名でした.生産システム部門は2室,IIP部門は3室での講演でしたが,想定の発表数を大きく超えており,タイムテーブルの作成には一苦労ありました.それでも盛況な講演会になったことは嬉しい限りです.

生産システム部門では,従来からの7つのオーガナイズドセッション,OS1. 生産・物流のモデリング・シミュレーションと見える化,OS2. 生産管理・スケジューリングおよびサプライチェーン,OS3. 設計・生産プロセスの情報化(CAD, CAM, CNCなど),OS4. 生産システムにおける設計・運用・評価および国際展開,OS5. アディティブ・マニュファクチャリングの生産システム,OS6. スマートマニュファクチャリング/機械・インフラの保守・保全・信頼性強化,(IoT活用, AI活用, CPPSなど)(日本機械学会横断テーマ連携セッション),OS7. 企業の開発事例(講演原稿不要)に加えて,「ものづくり未来予想図2050:技術ロードマップ改訂に向けた生産システムの現状分析と将来像」と題して1時間の自由討論の場を設けるなどの新しい部門講演会の活用の工夫を行ないました.

2部門の参加者が1つの会場に集る全体講演では,特別講演として「人間×機械×知能- メタバースにおけるユーザーエクスペリエンスの研究開発​ -」としてグリー株式会社の白井暁彦氏にオンラインでの講演頂きました.また,若手招待講演セッションでは,「顧客要求打ち合わせ時の業務の改善- 仕様決定支援システム・アジャイルシミュレータの開発 -:種田光佑氏 (村田機械株式会社)」,「フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスを活用する-シート型センサの開発と次世代ヘルスケア応用-:荒木徹平氏(大阪大学)」,「不確実な環境におけるシミュレーション評価を活用したプロジェクト・スケジューリング:森田大輔氏 (愛知学院大学)」「非破壊検査のDXとデータ活用:中畑和之氏(愛媛大学)」の4件の話題についての講演の場を設けました.

表彰式も対面で行うことができました.加えて,参加人数を制限せざるを得ませんでしたが,両部門合同の懇親会を行うことができたことも良かったです.”来年は生産システム部門で発表を考えているんです”とIIP部門の研究者から声を掛けられるなど,コロケーションの効果はじわじわと現れていることを実感できました.

最後になりましたが,講演者ならびに参加者,セッションオーガナイザ,実行委員,事務局の方に感謝申し上げます.特にIIP部門の実行委員の方々に加え,九州工業大学の学生の方には当日の運営に尽力いただきました.ハイブリッドでの開催にも関わらず,講演者がオンラインでの発表を意識することなく研究発表ができたことは当日の複雑なオペレーションを正確に遂行してくれたことに拠ります.ありがとうございました.また,北九州市および(公財)北九州観光コンベンション協会に本講演会の開催に対して助成頂きました.重ねてお礼申し上げます.

樋野励(名古屋大学)