【行事レポート】国際会議iDECON2024

iDECON2024 (International Conference on Design and Concurrent Engineering 2024)

Universiti Teknikal Malaysia Melaka (2024年9月2日~3日開催)

国際会議International Conference on Design and Concurrent Engineering 2024が,2024年9月2日~3日に,マレーシアのマラッカにあるUniversiti Teknikal Malaysia Melaka(UTeM)にて開催された.この会議は,CAD/CAM/CAE,信頼性,人間工学,サステイナビリティ,ラピッドプロトタイピング,リーン生産,サプライチェーンマネージメント等の,設計およびコンカレントエンジニアリングに関わる幅広い分野を対象とした国際会議である.マレーシアの国内会議から出発した国際会議で,2015年からは日馬交互で毎年開催され,日本機械学会が主催・共催等で密接に関係する国際会議として定着している.

iDECON2024会場の様子

iDECON2024会場玄関

2015年の徳島での日本初開催の後,ランカウィ島(2016年),大阪(2017年),クチン(2018年),仙台(2019年)で開催され,コロナ渦の影響等を受けて,2020年と2021年はオンライン開催,2022年は開催見送りとなったものの,2023年には横浜(&オンライン)で対面開催が再開し,本年2024年は6年ぶりのマレーシア開催となった.

主だった参加者はマレーシアと日本からであったが,インド,インドネシア,オーストリアからも参加があり,各セッションでは活発な議論が交わされていた.

会議全体として,3件の基調講演と13件のフルペーパーの発表が行われた.1件目の基調講演は,オーストリア・ウィーン工科大学のProf. Andreas Rauberにより,”The Role of Data Infrastructures in Academic Research: Towards Virtual Research Environments”という題目で行われた.研究者が優れた研究を実施できるよう支援するための専門的なデータ管理と研究のための戦略的決定,ポリシー,組織的サポートを目的とした取組みが紹介された.2件目は,”Product Lifecycle Design for Sustainable Society”という題目で行われ,明治大学の井上全人先生より,擦り合わせ開発とそれに向けた新たな最適化技法,エンジニアリングチェーンとサプライチェーンを考慮した製品アーキテクチャーの設計手法についての取組みが紹介された.3件目は,UTeMのDr. Syahriza Ismailより,”Composite Metal Oxide Nanostructures”という題目で行われ,複合金属酸化物ナノ構造体とその応用についての説明がなされた.

次回は日本機械学会側の主催で,2025年9月に京都の同志社大学での開催が予定されています.皆様の奮ってのご参加をお願いいたします.

森永 英二(大阪公立大学)